東京パラリンピック聖火 「愛の浜園」にランタンで到着

聖火ビジットを手に入場した永田さん

パラリンピック選手にエールを送る入所者ら(撮影時のみマスクを外しています)

式典開き歓迎 がんばれニッポン!

 全国各地で12日スタートを切った東京2020パラリンピックの聖火リレー行事は、13日、奄美市名瀬知名瀬の障がい者施設「愛の浜園」(奥田敏文施設長)で開催された。鹿児島県では、種子島で採火された火が、「聖火ビジット」としてランタンで同施設に運ばれ、入所者代表で永田三十六=みとむ=さん(66)が施設内の聖火台に設置。その様子を入所者や職員で見守った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般の立ち入りは制限。奄美群島では当初、奄美大島2カ所と徳之島3カ所の障がい者施設を巡る予定だったが、両島で感染が拡大していることから同施設のみの実施となった。県内では計17カ所を巡回予定。また、聖火ビジットの火を分けたものは、13日現在、県内24カ所の自治体で展示を予定する。

 同施設では午前10時ごろにランタンが到着。施設入所者や通所の利用者など約60人が多目的ホールで登場を待機。10時半に式典が開始され、永田さんの手で運ばれる聖火を拍手で歓迎した。会場の中央通路を通った聖火は、視線を集めながら、同施設手作りの聖火台の上に置かれた。

 県の障がい者スポーツ大会に出場するなど、積極的にスポーツ活動に取り組んできたという永田さんは、「思いを込めた聖火を東京に送ることで、パワーを選手に伝えたい。がんばれニッポン!」と激励。のぼり旗の旗手を務めた坂井文也さん(63)は「パラリンピックの旗ということで緊張したけど、いい経験になった」と振り返った。

 奥田施設長は「パラリンピックが障がい者理解の機会となり、住みよい社会の実現につながれば」と期待を寄せる。

 同聖火ビジットは、この後大隅地区を巡回する予定。