22年度奄振予算概算要求

約6%増の207億400万円
交付金は20%増 世界自然遺産誘客・周遊促進も

 国土交通省は26日、2022年度奄美群島振興開発事業関係予算の概算要求を発表した。公共、非公共を合わせた概算要求総額は、21年度当初予算比約6%増の207億400万円。公共事業は同4%増の178億4000万円、非公共事業は奄美群島振興交付金が20%増の28億5500万円となり、奄美群島振興開発調査費と合わせて28億6400万円を計上した。  

 同省の22年度概算要求で公共事業のうちで、大きく増額した区分は港湾空港の24億1500万円で前年比15%増となった。港湾が前年同額の15億4200万円にとどまったものの、空港が8億7300万円(対前年比57%増)となっていることによるもの。航空機の安全確保のため、奄美空港や徳之島空港の滑走路整備などにあてられる。治山では、喜界町、瀬戸内町などでの風害・潮害等の防止に県が防潮工、植栽工などを実施する6900万円(同13%増)を計上している。

 農林水産基盤整備は対前年比3%増の63億4000万円。徳之島や沖永良部島の農園の排水路の整備などに43億9300万円を、森林整備は宇検村、瀬戸内町の森林に1億6000万円と前年同額となったが、奄美全体の農山漁村地域整備(交付金)が16%増の12億9300万円が盛り込まれたことから。公共事業には、このほか防災・減災、国土強靭化のための5カ年加速化対策については、事項要求を行い予算編成過程で検討する、としている。

 一方、非公共事業の奄美群島振興交付金は、同20%増の28億5500万円。奄美群島振興開発調査費も600万円から900万円に44%増額され、合わせて28億6400万円となった。20%増になった主な理由は、農業の生産性向上・水産業の振興。台風対策に資する平張ハウスの整備等、農業機械の導入への支援などのほか、この7月世界自然遺産の登録されたことから、世界自然遺産登録後の誘客・周遊促進支援にあてる。新型コロナウイルス感染症の影響により減少した観光客の回復を図りつつ、世界自然遺産登録を契機とした観光復興などを行うための事業を支援する。また、閑散期の群島間のフェリーや航空運賃などの軽減支援なども含まれている。