特産白ゴマ収穫最盛期

収穫の最盛期を迎えた喜界島では白ゴマの束を天日干しする風景が見られる

天日干しにより乾燥後、ゴマの粒を振るい落とす

喜界島 天候恵まれ作業順調
初期生育重視、町研修会

 香りの良さが全国的に知られている喜界島の特産・白ゴマの収穫が最盛期を迎えている。島内の集落では道路脇などに収穫したゴマを並べて天日干しする風景が広がるが、今年は天候に恵まれ作業は順調。生産安定に向けて町は初期生育を重視しており、研修会開催で播種時期の前倒しなどを図ってきた。

 国内で日本一の生産量を誇る喜界島の白ゴマ。品質の良さに注目し島外の製油メーカー5、6社が栽培の委託をしており、町農業振興課によると、現在の栽培面積は約100ヘクタール、約250戸が携わっている。

 島内集落ではサトウキビ農業が盛んな荒木、志戸桶などを中心に白ゴマ栽培が行われている。なかでも砂地の荒木集落は、黒糖菓子の材料などとして古くから在来種の栽培が続いてきた。島内全体の生産量は約80トンを記録した年もあったが、最近は2016年60トン、17年21トン、18年20・7トンで推移。台風の影響がなかった19年は42・1トンにまで増えたものの、昨年は台風がもたらした大雨被害により15トンまで減少した。収穫は9月いっぱいまで続く見通しだが、現在のところ気象条件に恵まれている今年は30~40トンの生産量が期待されている。

 収穫時期が台風シーズンと重なるため、町は前倒しへ4月下旬~5月にかけての播種を目指している。播種後は梅雨の時期に入ることから、町農業振興課は初期生育を安定させるため、生産者を対象とした研修会を開催。葉への影響がある梅雨の時期の大雨に対応できるよう、この時期には膝当たりまでの高さの生育を理想としている。

 町農業振興課は「サトウキビや園芸作物に取り組んでも夏場は畑が空くだけに、その間に種をまいて育て収穫できるゴマは貴重な換金作物。だが、収穫作業が遅れてしまうと、主要品目のキビや園芸作物の植え付け期がずれて生産に支障が出てしまう。畑の効率的な活用につながるゴマの栽培が安定するよう、初期生育を改善していきたい」としている。