沖永良部の環境文化学ぶ

佐々木鐵雄さん(左端)に教えてもらいながら農機具でソテツの実を割る受講生ら=和泊町=

 

食糧難支えたソテツについて聞き取り
鹿大

 

 【沖永良部】沖永良部島の環境文化を知る現地実習(鹿児島大学主催)が23日、島内であった。和泊町国頭集落を訪れた受講生17人は、食糧難の時代を支えたソテツについて地元住民から聞き取った。

 群島内に住む社会人などを対象に講義や現地実習を行い、新たな仕事を生み出すために必要なことを学ぶ「奄美の『環境文化』を付加価値化する先駆的な人材育成プログラム」の一環。国の「就職・転職支援のための大学リカレント(学び直し)教育推進事業」を活用した。

 国頭集落のソテツ記念碑を訪れた受講生らは、同集落在住の佐々木鐵雄さん(73)に教わりながらソテツの葉を使ったカゴ作りや、ソテツの実を割る作業などを体験した。佐々木さんは、子どもの頃の生活を振り返り「北風が吹くと塩害でサツマイモが全て枯れた。小学3、4年生までソテツの実の中身を取って食材にしていた」と語った。

 同日は、知名町の大山植物公園や瀬利覚集落、和泊町の世之主神社なども巡った。

 奄美大島から参加した川井美和子さん(52)は「私が小さい時、祖母がソテツの実を割る作業をしていたのを思い出した。各島のことを勉強していると、自分の育った集落の良さに気付ける。これまで集落を守ってきたお年寄りを大事にしながら、将来につながる仕事をしていきたい」と語った。

 来月は喜界島で現地実習を行う予定。