樟南二高・工業科3年生が製作

樟南二高の工業科3年生(代表・中央3人)が製作・設置中の「ごみ回収ボックス」に感謝=2日、天城町兼久で

「ごみ回収ボックス」に感謝
天城町と連携協定 完成セレモニー

 【徳之島】天城町と樟南第二高校(同町天城、牧園弘光校長)の包括的連携協定に基づき、同校工業科3年生15人が製作に取り組んでいる金属製「ごみ回収ボックス」の一部の完成セレモニーが2日夕、同町兼久集落のごみステーションであった。コロナ禍で苦心しつつも思いやりの詰まった作品の設置を始め、地域住民を喜ばせている。

 同町は昨年11月、第6次総合振興計画(2021年度~)の策定に向けて高校生らの意見も聴き町政に参画させようと「フレッシュトーク」を開催。今年4月には、若い発想力と行動力を生かして双方が協働、活力ある地域の創出―などを目的に、①教育および人材育成②地域振興③スポーツ・文化・芸術関連などの包括的連携協定を締結。工業科3年生たちの「ごみ回収ボックス」製作はその一環。

 同科3年生たちは授業の実習で習得した溶接や機械整備などの技術など活用。費用は町が負担。カラスや野良犬・猫などの影響を受けない金網と金属骨格のごみ回収ボックス(タテ120㌢、ヨコ180㌢、奥行き75㌢)を製作して、町内全14集落の主要か所への設置を計画。3基については先月中に完成させ松原西区、兼久、瀬滝の3集落に設置した。

 完成セレモニーで森田弘光町長は、経緯にふれながら「徳之島のごみ投棄がなくなり地域の意識も高まって欲しい」。牧園校長は、学校側もコロナ禍で共同作業(実習)が確保できず遅れ気味だが、計画の年内達成の方針も説明。

 工業科3年生代表の久原慶斗さん(18)は「卒業を前に学び身に付けた技術を生かして地域に貢献したい。互いにアドバイスをし合いながら制作。大切に使ってください」とアピール。子どもからお年寄りまでが片手で扉を開閉できるよう軽量化に配慮したという。

 兼久集落の岡本晃区長(62)は高校生たちの頑張りと思いやりに、「集落のみんなが大変喜んでいる。大切に使います」と感謝を述べた。