自動で農薬を散布する車型ロボット・R150の実演を見守る参加者ら
瀬戸内町は22日、ICTなど先進技術を駆使して作業の省力化を図る「スマート農業」の推進に向けた研修会を同町阿木名のたけはら農園で開いた。町内農家や農業関係団体約30人が参加し、果樹などに自動で農薬を散布できる車型ロボットを実演。取り扱い方法などを学び、省力化に向けての導入を検討した。
農作業の省力化、農家の担い手不足や高齢化といった課題解決を目的に実施。中国のXAG社が開発・製造する世界初の量産型農業用無人車「R150」を、同社九州地区代理店・(有)鹿児島船舶塗装工業所アグリかわさきの代表取締役・川崎恭資さんが持ち込み実演した。
R150は、RTK(相対測位)による制御で、測量データを元にルートを自動生成する。平地はもちろん山間部のほ場や果樹園などの複雑な地形でも自動走行が可能。ドローンなど空中散布では届かなかった、園芸作物や果樹への安全・正確で省力的な自動散布が期待されている。
研修会では、農薬の代わりに水を入れて散布。川崎さんがリモコンでの設定・操作で無人散布を実演し、参加者らは樹木にむらなくまかれているかなどを確認したりしていた。
約15アールの同農園(津之輝幼木園)を所有する竹原誠朗さんは普段、月に1~2回、農薬を散布する。散布には1時間以上かかるといい、「今は30代だが10年もたてば体力も衰え省力化が必要になる。農薬被ばくにも弱い体質で、これなら導入も考えられる」と話した。
質疑では、農家らがさらなるコンパクト化などを要望。研修を見守った同町農林課担当者は「スマート農業の推進へ、補助事業としても検討していきたい」と話した。
なお、R150の車体サイズは1515×1090×1105ミリで、散布システムを含む重量は200キロ。100リットルタンクを積載し、粒剤散布や草刈り(オプション)も可。バッテリー稼働で、2時間程度(実動)走行できる。