奄振微増の198億円

22年度当初予算案 奄振交付金 補正合わせ29億3千万円計上 港湾空港は17%増

【東京】政府は24日、2022年度当初予算を閣議決定した。奄美群島振興開発関係予算決定額(国費ベース)は公共、非公共を合わせて198億3400万円で、1・6%増(21年度当初比)となった。公共事業は約2%増の174億4500万円。奄美群島振興交付金を含む非公共事業は、補正を合わせると29億3000万円を計上した。

公共事業のうちで、大きく増額した区分は治山治水の3億2800万円で対前年比538%。経費区分に、治水と海岸の区分が加わったため。治水の1億400万円は、大和村のダム設備等に、社会資本総合整備(交付金)のうち防災・安全交付金から補助化される。また、海岸1億5500万円は、農林水産基盤整備の農山漁村地域整備(交付金)から個別に補助化される。宇検村、知名町の港湾補修、和泊などの防潮堤の改良に使われる。

港湾空港で空港の決定額が2500万円とあるが、コロナの影響による特別な財源の活用により、8億4800万円が追加確保され(注)、計8億7300万円(前年比57%増)となる。そのため港湾空港は24億6100万円(17%増)が計上される。水道廃棄物処理では、加計呂麻島、請島の簡易水道の整備などに、1億3600万円あてられ167%増となった。

道路環境は継続しての和泊町等での無電柱化のほか、通学路の緊急対策として歩道整備も行う。農業農村整備は、喜界島等における地下ダム、沖永良部島、徳之島等の配水路整備を継続して行う。

公共事業の合計は、174億4500万円で約2%増。一方、非公共事業の奄美群島振興交付金は、23億8300万円。奄美群島振興開発調査費は600万円で、計23億8900万円となったものの、補正予算額では前年度より5000万円多い5億5000万円あった。補正を合わせた額は28億9000万円だった前年から、29億3000万円と増額を確保した。

公共非公共を合わせた実質的な総額は198億3400万円と1・6%増となった。ほか、道路整備に1億4700万円、農林水産基盤整備に9億1200万円など公共事業に20億4800万円の補正予算額が報告された。

公共事業、実質伸び 園田参院議員「改正へ地元要望生かす」 自民党奄振委事務局長就任

2022年度奄美群島振興開発関係予算案が24日発表されたが、自民党政務調査会奄美振興特別委員会の事務局長に就いた園田修光参院議員は、公共事業は実質的に伸びていることを指摘、非公共の奄振交付金は今年度並み確保を強調した。折り返しを過ぎた現行奄振法(期限23年度まで)について園田議員は「改正・延長に向けて23年度予算が大事になる。新たなメニュー創設など地元の要望をいただき政策に生かしたい」と述べた。

22年度予算案のうち空港は2500万円を計上しているが、これは事業費の財源の一部で、実際額は8億7300万円。園田参院議員は「公共事業の実質的な合計は174億4500万円で、今年度の当初予算額よりも2%の伸び。今年度並みとなった非公共事業の奄振交付金は23億8300万円が確保された」と説明。22年度奄振予算案を評価した上で、「世界自然遺産に登録されたが、その恩恵はまだ十分ではない。たくさんの人々が来島できる状態にしていくためにも旅行促進の支援策に取り組みたい」と意欲を示した。

法の改正・延長に向けては「法を延長させ24年度から改正法をスタートさせていくためにも23年度予算が大事。予算枠、新たなメニュー創設など地元からの要望をいただき、しっかりと取り組んでいく」と決意を語った。