「手厚い補償」「素早い支給」を

年明けの感染者確認以降、閑散とする奄美市名瀬の屋仁川通り

奄美大島5市町 時短要請に飲食店関係者ら
爆発的増加に一定理解も

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言が発表され、奄美大島5市町村の飲食店に対する2週間の時短要請(11~24日)が決まった。飲食店関係者は感染者の爆発的な増加への対応に「やむを得ない」と一定の理解を示しつつも、「時短要請には従うが手厚い補償を」「協力金の素早い支給を」といった声も上がっている。

 「要請には応じざるを得ない」。奄美市名瀬の屋仁川通りで、居酒屋を経営する51歳男性は言い切る。

 同店は昨年9月のまん延防止措置の解除以降、少しずつ客は戻りはじめ、12月は売上も例年並みに回復。だが、年明けの感染者確認以降はぱたりと客足が止まり、「ここまで感染が広まれば仕方のない面もある」と諦め顔だ。8日は昼のランチを提供したが客は入らなかった。「協力金があっても赤字だが、ないよりはまし。悩みながらやっていくしかない」と話した。

 一方、同地区で飲食店をまかなう59歳の男性店長は、県の時短要請を見越して、店舗の休業を早めに決めた。新年3日ごろまでは観光客も訪れてにぎわったが、ここ数日は予約のあった新年会もすべてキャンセル。当面の収益は見通せず、「オミクロン株も心配。リスクを考えると閉めた方がいい」と決断した。

 昨年から続く時短要請と解除の一進一退に店長は、「仕切りを設置したりと営業努力を重ねても、感染者が出れば客足は一気に遠のく。うんざりだ」と憤る。「(時短要請の)素早い対応はありがたいが、無料のPCR検査など国の政策に進展はなく、同じ要請を繰り返すだけ。だらだらと長引くなら手厚く補償してほしい」と不満を訴えた。

 同界隈では爆発的な感染増加を危惧してか、すでに休業を知らせる貼り紙もあちこちで目につく。同通りで23年間、スナックを営む67歳女性は「従業員も1人なので何とかなる」と時短要請に応じる考え。「ここ2・3日はお客も来てないので助かる。(協力金支給は)前回が遅かったので早く出してほしい」と話した。