奄美空港にPCRセンターオープン

奄美空港ビル3階の展望デッキ入口前に開設されたPCR検査センター

全国展開の木下グループ運営
県民は1月末まで無料 「水際対策強化に期待」

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、県が独自の緊急事態宣言を出している奄美大島の奄美空港に21日、PCR検査センターがオープン。初日は24人が検査を受けた。全国各地でPCR検査施設を運営する木下グループ(本社・東京都)が開設したもので、毎日午前8時~午後7時まで運営、1日最大234人(PCR162人、抗原72人)の検査が可能。県が実施するPCR検査等無料化事業に登録しており、県民は1月末まで無料で受けることができる。

 奄美空港店は県と奄美大島5市町村の協力を得て開設。同グループの検査センターとしては全国で63カ所目。県内では鹿児島市金生町店、霧島市の鹿児島空港店に次いで3カ所目。離島では沖縄県の石垣島、宮古島に次いで3カ所目となる。

 同日は龍郷町の竹田泰典町長や各市町村の担当者らも視察。竹田町長は「奄美の玄関口である空港に検査センターが開設されたことで、水際対策強化に期待している。検査体制を充実することで、新型コロナの感染拡大防止や島民の不安解消につなげたい」などと話した。

 同検査センターは年中無休で、PCR検査と抗原検査の2種類の検査を受けることができる。専用WEBサイトからの完全予約制(希望検査日の5日前から予約可能)。検査を受けることができるのは、発熱などの症状がない無症状者で、感染者の濃厚接触者となった人などは対象外。検査費(PCR2300円、抗原1600円)の支払いは、キャッシュレス決済のみとなっているが、鹿児島県民については、無料で受けることができる。

 抗原検査は検査後約30分で結果が判明。PCR検査については、検体を鹿児島市に送って調べるため結果判明まで2日間かかる。結果は予約時に登録したメールアドレスを通じて、同グループのサイト内で通知され、陰性だった場合は、陰性証明書として利用可能となる。

 同グループの担当者は「観光客や島民など多くの人に利用してもらい、感染拡大防止に役立ててほしい。自身の安全だけでなく家族や友人への対応としても定期的に受けてもらえたら」などと話した。

 県内では21日現在、医療機関や民間施設など100カ所がPCR等検査場所として登録されており、うち奄美大島では奄美市8カ所、瀬戸内町3カ所、宇検村1カ所の計12カ所が登録されている。