町の重要文化財守れ

文化財を守ろうと建物に放水する消防隊員ら

喜界町中央公民館で防火訓練

町指定文化財、民俗資料などを展示する喜界町中央公民館新館コミュニティで27日、「文化財防火デー」にちなんだ防火訓練があった。町の文化財保護チームをはじめ、消防隊員ら約30人が参加。建物への放水や職員の避難誘導の手順を確認した。

文化財防火デーは、1949年に奈良県斑鳩町の法隆寺金堂であった火災により貴重な仏教壁画が焼失したことを受け、55年に制定。同町教育委員会(文化財保護チーム・生涯学習チーム)、大島地区消防組合喜界消防分署員や消防団員、奄美署員らが参加した。

訓練では公民館2階で出火し、重要文化財に焼失の恐れがあると想定。火災に見立てた発煙筒の着火を合図に行動に移した。

発見者は「火事だー」と大きな声で周囲に通知した。防護服をまとった消防隊員らは、職員に聞き取りを行い文化財救出の優先順位を決定。外では一斉に放水し、搬出活動をサポートした。

例年は、文化財を知る機会と位置づけ地域の子どもたちも参加していたが、今年はコロナ禍のため断念。同町埋蔵文化財センターの松原信之さんは「子どもの不参加は残念だったけど、実際に消火器を使って訓練をしたりと、実状や役割にあわせていい訓練ができた」と振り返った。