南北1650㌔ オンライン交流学習会

秋田県湯沢西小(円内)―天城町岡前小の南北約1650㌔を結んであったオンライン交流学習会=3日、岡前小音楽室

 

秋田県・湯沢西小―徳之島・天城町岡前小
特色や魅力発表し合う

 

 【徳之島】文部科学省「SINET(サイネット)接続実証研究事業」の一環で3日、徳之島の天城町立岡前小(田子山ゆかり校長)と秋田県湯沢市立湯沢西小(佐藤芳一校長)両校3・4年生たちのオンライン交流学習会があった。南北約1650㌔、気温マイナス1度と16度とその差約17度。子ども目線でそれぞれの歴史・文化・自然など地域の特色や魅力を発表し合うなど交流した。

 世界最高速級(100Gbps)の通信インフラの「SINET」はこれまで大学や公的研究機関などの利用に限られていたが、文科省はその先進的ネットワークを全国の小・中・高校でも活用(接続)できるよう支援。2021年度SINET接続実証研究事業には、天城町や湯沢市両教育委員会を含め全国6市町が参加しているという。

 同実証研究事業により天城町(小中全9校)については、それまでの最大通信速度「120Mbps」が10倍の「1Gbps」にアップした。児童生徒ら1人1端末(国のGIGAスクール構想で整備)利用時についても「動画の滑らかさや鮮明度も高まった」(町教委)という。

 その教育的効果を検証する「オンライン交流学習会」は、午前10時すぎから岡前小3・4年生49人(音楽室および2教室)と、湯沢西小同170人(6教室)の南北約1650㌔を結んで約1時間半あった。

 取り組み発表で、岡前小3年生たちは、方言文化の継承を目的とした「シマ口(島口)プロジェクト」の取り組み成果、創作「結(ゆい)太鼓」演奏発表の動画とリズムを披露。4年生たちは世界自然遺産登録された生物多様性の徳之島に生息する希少種など大自然の魅力。一方で課題となったままのアマミノクロウサギなど希少種の交通事故防止対策も提起。島の魅力など思いを込め自作した歌も披露した。

 湯沢小の3年生たちは、400年以上続く湯沢地方の民俗行事「犬っこまつり」や「しんこ団子細工」づくりの模様(動画)や方言も紹介。4年生は観光名所の一つ「ゆざわジオパーク」や地域の偉人なども紹介していた。

 発表後は各教室からタブレット端末も使って感想文交流も。岡前小4年生の作田莉朋さんは「徳之島が世界自然遺産にえらばれ、貴重な生物とかがいっぱいいることを特に知って欲しかった。雪国の秋田県にもいってみたいと思った」と目を輝かせていた。