委託取扱すでに計画達成

今年度産タンカンの奄美大島選果場利用では、委託(個人出荷)分は多くの持ち込みがありすでに計画を達成、順調な伸びとなっている

品質保証を可能とする光センサー選果選別

奄美大島選果場タンカン
行政支援、市況で光センサー区別

 JAあまみ大島事業本部が管理運営する奄美大島選果場では、JAが販売まで行う共販と選果のみの委託に分けて受け付けているが、103㌧を計画していた委託は19日ですでに達成、伸びを見せている。群島内で唯一、同選果場に配備されている品質保証が可能な光センサーの利用促進へ行政の選果料助成(良品以上)、地元市場での区別化(光センサー利用と利用していないもの)などが島内生産者の持ち込みにつながっているようだ。

 奄美市名瀬朝戸にある同選果場での共販(JA出荷)、委託(個人出荷)選果実施にあたりJAでは曜日を分けている。共販が月・水・金、委託が火・木・土といずれも週3回の対応。今年度産タンカンの選果作業は3月中旬までを予定しており、今月1日からの開始当初は下場(平場)にある果樹園からの持ち込みだったが、現在は山間部にある上場からが主流となっている。

 今期は「裏年」にあたり生産量は少なめだが、委託量は伸びており、奄美大島内の市町村ごとにみても全て前期実績を上回る見通しという。「これまで自ら選果をしていた規模の大きい組合員の新規利用のほか、組合員以外からも問い合わせや利用がみられる。品質のいいものを島外に出荷していくためにも光センサーを通そうという意識を感じる」(JA)。

 選果場利用につながっているのが、奄美大島内の市町村が足並みをそろえての選果手数料助成。昨年度から取り組んでいる宇検村に続き他市町村も助成のための予算を計上したことで、光センサーを通しランク付けされた商品(秀・優・良)の選果手数料が無料となり、生産者負担の軽減が図られている。

 選果場利用以外の持ち込みが圧倒的に多い地元市場・名瀬中央青果も変化が出始めている。セリ値を示す市況でタンカンの場合、光センサー利用と利用外を明確に区別しており、「信頼の証(光センサー利用)」が買受人からどのように判断されるか明確になっている。購入する消費者も贈答品などとして島外に送る際、シールや箱への表記で把握できる光センサー利用を選ぶことで品質のばらつきを避けることができる。

 JAは「前年度に比べて病害虫などの被害がある果実の持ち込みも少ない。多くの生産者が光センサーを利用することで産地への信頼が高まる。最初の利用にあたっては、持ち込み時期や数量の事前申請(問い合わせ先=奄美大島選果場電話0997・54・9600)をお願いしたい」と呼びかけている。