青壮年期3割が「朝食抜き」

 

名瀬保健所管内実態調査
脳卒中発生リスク高く
摂取の習慣化へ「意識高めて」

県大島支庁(名瀬保健所)はこのほど、管内の健康かごしま21地域推進協議会が主体となって独自に実施した2020年度「生活習慣に係わる実態調査」の結果を公表した。管内では、20~30代の青年期、40代~65歳未満の壮年期の世代で朝食(週3回以上)を抜くことの多い人の割合が3割を上回るなど突出している。20歳未満でも高校生・専門学校生は高い傾向にあり、同庁保健福祉環境部健康企画課では、働き盛りである世代の健全な食習慣の形成のためにも青壮年期が「食・健康への意識を高める必要がある」と改善を促している。

調査は19年に続き2年目。幼稚園や保育所、小中高生や学生、事業所、管内6市町村の国保特定健診調査結果(40歳以上)を対象に計1万2920人(男49%、女51%)から回答を得た。

県国保団体連合会によると、朝食を抜くと答えた県内の人の割合は10・7%。これに対し管内は、幼少年期(20歳未満)5%、青年期(20~30代)32%、壮年期(40代~65歳未満)31%、65歳以上16%となっている。

男女世代別では、青年期男性が40%。女性も同期が23%で最も高く、壮年期男性の21%と合わせて県平均を上回っている。

対象別では、事業所21%、国保12%、高校・専門学校12%、中学校5%、小学校3%、保育所・幼稚園2%。男女別ではすべての世代・対象で男性の方が高い傾向にある。

朝食の欠食は毎日摂取する人と比べて脳卒中発生リスクが18%高くなることが報告されている。同課は「まだ母数が少なく判断の難しい部分はあるが、要因や背景の分析を進め、働き盛り世代の朝食摂取の習慣化につなげていかなければならない」と危機感を持つ。

同課は21年度、「青壮年期の朝食抜きをゼロにする」のスローガンなどを掲げ、働き盛り世代の健康意識向上に取り組んでいる。事業所の調査対象も、酒造会社などを取り入れ41から64事業所に拡張。「職場の健康づくり支援」と題するモデル事業にも取り組んでおり「賛同する事業所は応募してほしい」と参加を呼び掛けている。

なお、管内では65歳未満男性の死亡割合が県の約12%を上回る16・26%と高いことから調査を始めた。同庁ホームページでは、脳血管疾患に係わりの深い、「喫煙」「飲酒」「睡眠」の調査結果も公表している。