担い手育成へ畜産の仕事紹介

畜産に関わる二つの資格について説明する山本優一さん=和泊町の城ケ丘中学校=

和泊町、中学校で特別授業
魅力を伝える「興味を持って」

【沖永良部】畜産の仕事を紹介する特別授業が11日、和泊町立城ケ丘中学校であった。全校生徒30人が参加。同校の卒業生で畜産農家の山本優一さん(33)が講師を務め、畜産に関わる仕事とその魅力を伝えた。

担い手育成の一環として和泊町が主催した。同町役場経済課によると、町内の畜産農家は153戸、繁殖雌牛頭数は約2500頭で、近年は子牛価格の高騰により規模を拡大する農家が増えているという。

講師の山本さんは牛を飼いながら、優良な子牛の誕生に関わる家畜人工授精師と受精卵移植師として活動している。授業では、二つの資格について説明し「必ず牛が受胎(妊娠)するとは限らない。受胎率を上げるために人工授精や受精卵移植をする牛の状態を毎回記録している」と述べた。

このほか、和泊町で生まれた種牛「和華桜(ワカザクラ)」を紹介したり、畜産農家になろうと思ったきっかけを話したりした。最後に山本さんは「牛飼いや人工授精の仕事は女性でもできる。興味を持ってほしい」と呼び掛けた。

3年の坂本蓮さん(14)は「畜産について知らないことが多かった。牛の直腸に自分の手を入れて状態を確かめていると聞いて驚いた」と話した。

この日は、ふるさと納税基金を活用し、同町国頭の畜産農家、中田嘉勲さんが育てたA4ランクの牛肉合計70㌔が町内の小中学校とこども園の給食で振る舞われた。