海洋ごみ問題「考えよう」

三井化学社員と須野集落住民約80人が参加したビーチクリーン

住民協働 須野集落(笠利町)でビーチクリーン
三井化学・自然遺産応援P

 奄美市笠利町の須野集落(里清忠区長、150世帯)と総合化学メーカーの三井化学㈱(東京都港区本社)が協働する「ビーチクリーン」が10日、同町の須野海岸であった。同社社員や地元住民ら約80人が集まり、漂着ごみを拾うなど清掃活動で奉仕。海岸で汗を流し、世界自然遺産登録地の海洋ごみ問題について考えた。

 地元住民らと共に考える同社のサステナビリティ活動「世界自然遺産応援プロジェクト」の一環。2014年に始まり、これまでに屋久島や小笠原諸島、知床半島などの世界自然遺産登録地を訪問。海岸清掃活動などを通して、地域課題の把握などに努めてきた。

 地元からは集落住民ら約70人が参加。午前9時、参加者らにはおそろいのTシャツが配られ、ペットボトルや漁網、ブイや軽石といった漂着ごみを拾った。活動は約1時間。45㍑ごみ袋で40袋ほどを回収した。

 里区長(67)によると数週間前にも海岸清掃に取り組んだばかりで、「潮流、時期によっては短い期間でも大量のごみが流れつく。(清掃は)人が多くあっという間で助かった」と感謝。福岡県の大牟田工場から駆け付けた同社の浦田秀雄さん(48)は「プラごみが多い印象。問題を目の当たりにして(企業の一員として)思いを新たにする機会にもなった」と笑顔だった。

 作業を終えた同社コーポレートコミュニケーション部の多田祐美さん(55)は、「プラスチックごみや海洋ごみ問題にはまだこれといった解決策がない。共に取り組むことで、ごみの削減方法などについて考え、自然を守る手伝いになれば」と話した。

 夜は八月踊りなどの文化交流も楽しんだという。