ほこらしゃ実行委発足

設立総会で発足した「ほこらしゃ奄美音楽祭実行委員会」メンバーら

「シマ唄」軸に誘客
県など官民連携 音楽祭を「振興策に」

 県や自治体、関係団体など、官民が連携する「ほこらしゃ奄美音楽祭」の実行委員会が19日、発足した。奄美が誇る伝統文化「シマ唄」を切り口に、誘客を目指す基本計画が了承。シマ唄による音楽祭で来島者を呼び込み、島独自の観光資源、振興策として磨きをかけていく。

 実行委は県(文化振興課、大島支庁)、奄美大島5市町村各担当者の7人で構成し、音楽、経済、観光の各団体らが協力。事業は2022年度~24年度の3年間。音楽祭を通じて「シマ唄」を発信し、誘客策としての定着を目指す。

 音楽祭は、NHKの大河ドラマ「篤姫」の音楽を手掛けた作曲・編曲家の吉俣良さんが総合プロデューサーを務め、島を代表する唄者らがオーケストラとのコラボ曲などを披露する。旅行会社へは、世界自然遺産ツアーなどへの造成を呼び掛け、関連事業としては、オーケストラメンバーによる地元学校でのクリニック(技術指導)も計画している。

 設立総会は、奄美市名瀬の大島支庁会議室で開いた。委員長に就任した県観光・文化スポーツ部の悦田克己部長はあいさつで「シマ唄文化は奄美の自然に劣らない世界に誇れる文化。(音楽祭が)5年10年と続き、シマ唄が振興策として寄与していくことを願いたい」と抱負。続く実行委員会では事業計画などを承認した。

 22年度事業費は1800万円で、音楽祭は来年2月25日(会場・奄美文化センター)。企画運営は、㈲アーマイナープロジェクト(奄美市名瀬、麓憲吾代表取締役)へ委託。集客目標は1000人で、小中学生らの招待も検討している。

 吉俣総合プロデューサーは「島の人と手作りでみんなが喜ぶものに。成功させたい」と話し、麓代表は「(シマ唄が)世界で通用するものだと再認識できるよう携わりたい」と決意を述べた。

 次回委員会は7月。プログラムの策定などを進める。