「親子ラジオ」再び

民謡の収録作業で使用した機材などが展示されている企画展=2日、和泊町歴史民俗資料館=

故大村隆二さんが残した音源テープや機材
和泊町歴民館で展示

 【沖永良部】1954年から71年まで知名町で運営されていた知名有線放送所(親子ラジオ)について知る「親子ラジオと島唄の記録展」が、和泊町歴史民俗資料館で開かれている。放送所を開設した故大村隆治さんが当時使っていた機材や、島の民謡を収録した音源テープなどを展示している。9月30日まで。観覧無料。

 大村さんは、当時の岡本経良知名町長の依頼で放送所を開設。運営のかたわら、島の民謡の記録保存に尽力した。親子ラジオが終了した同年、23曲の民謡を収めたレコード「沖永良部民謡集」を発売した。

 企画展では、演奏家の持田明美さんが生前の大村さんから聞き取った民謡への思いやレコード製作の苦労話などをパネルにして紹介。民謡の収録風景を撮影した写真とともに、実際に使用したTEAC(ティアック)製の録再生機やSONY製のマイクなどの機材も展示している。

 このほか、沖永良部空港開港式(1969年5月1日)の録音実況や収録した民謡の音源テープをデジタル化して、パソコンで聞くことができるブースも設けた。

 大村さんから機材などを譲り受け、今回の企画展に提供した和泊町の山内誠一郎さん(70)は「島の民謡を残したいという大村さんの熱い思いを感じてほしい」と話した。

 資料館職員の伊地知裕仁さん(42)は「展示された音源テープや機材は、親子ラジオを知る大切な資料になる」と語った。

 開館は午前9時から午後5時。水曜日休館。問い合わせは和泊町歴史民俗資料館(0997―92―0911)。