知事会見

感染リスク低ければ不要
マスク着用「政府方針に従い県民にお願い」

塩田康一知事は20日、県庁で定例会見を開き、新型コロナウイルス対策のマスク着用について政府が屋外での着用で方針を示した中、知事は「政府が示した方針に従って県民にお願いする」との見解を表明。現在、県内は新規感染者数が高止まりの状況にあるが、こうした状況でも感染リスクが低ければマスク着用は不要とした。

政府の見解では、周囲の人との距離が十分にとれる散歩や自転車での移動中は外すことは可能としている。ただし、屋外でもマスクを持ち歩き、会話の際には着用を求めている。

知事はマスク着用について「感染を防止し、人にうつさないためにもマスク着用は有効」とした上で、「リスクがない(屋外で周りに人がいない、会話がない)場合までマスク着用ということではない」との認識を示し、感染リスクが低ければマスクを外しても構わないとした。県としては政府方針に従い県民に要請する考えで、知事は「感染リスクがある場合、ない場合をしっかり仕分けした上で対応していく」と述べた。

現在の感染状況で年齢は10代~10歳未満の子ども、30~40歳代の感染割合が高いが、知事は「10歳未満が4割ぐらいを占めたが、現在は3割強と少し減ってきている」と報告。地域的には都市部の鹿児島市や霧島市、姶良市だけでなく「奄美市も多く離島でも増えており、広がっている。引き続き警戒が必要」と強調。一方、病床使用率は20%台後半から30%を超えるようになったものの、重症1人、酸素投与が必要な中等症二十数人となっている。知事は「新規感染者数は多いが、重症者はそれほど多くなく、医療提供体制ひっ迫状況ではない」とし、警戒レベルを上げる状況ではないとした。

県は災害時における死者・行方不明者等の氏名などの公表方針をまとめたが、行方不明者で緊急性のある場合は「家族の同意がなくても公表」としている。この緊急性の定義について知事は大規模災害、不特定多数の行方不明者が出た場合、速やかに公表を想定とする一方、「具体的に個別にあらかじめ示すことができたらいいが、さまざまなケースがあり、その時点で判断する必要性がある」と述べ、明確な基準作成について今後、他県の取り組みも参考にしながら検討する考えを示した。

このほか公示まで1カ月余りに迫った参院選の争点について知事は新型コロナ対策のほか、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油・物価・資材価格の急激な上昇、円安に対する各党の政策(稼ぐ力の支援)を挙げた。