クロスボウ許可制から2カ月

改正銃刀法で原則所持禁止となったクロスボウ(警察庁提供)

警察庁科学警察研究所の実験。合成樹脂製ヘルメット及びアルミ製フライパンを貫通する威力が確認された(同)

改正銃刀法で原則所持禁止
鹿県警周知活動 9月14日までに許可か処分を

 クロスボウ(通称ボウガン)の所持を、都道府県公安委員会の許可制とする改正銃刀法が3月15日に施行され約2カ月が経つ。施行後に所有する場合、施行日から半年以内(9月14日)に許可を申請するか、廃棄しなければ不法所持となり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられる。鹿児島県警は、処分を検討している所有者に、持ち込みによる無償引き取りを呼び掛けている。

 2020年6月兵庫県宝塚で起きた家族4人殺傷事件など、全国的にクロスボウによる凶悪事件が続いたことを受け、昨年改正銃刀法が成立。県警では、ポスター2000枚を県内の各警察署、交番また公共施設に掲示するほかホームページ上で周知活動を実施。これまで県警が回収したクロスボウは40本(4月15日現在)。

 クロスボウの威力に関しては、警察庁科学警察研究所の実験で、約5㍍離れたところから発射して、合成樹脂製ヘルメット及びアルミ製フライパンを貫通する威力を有することが確認されている。改正法では、矢の運動エネルギーの値が「人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上」となるクロスボウを規制対象とし、その値は6・0ジュール。玩具を除く市販されている全ての製品が、規制対象となることを確認している。

 全国の警察署によるクロスボウの無償引き取りは、▽本体▽部品(弦・滑車・固定装置など)▽矢▽その他関係物品(ケース・箱・説明書・調整器具など)―が対象。手続き時に持参するものは①引き取り対象の物品②処分依頼書③(来署者の)身分証明書―となっている。

 県警は「無償回収を行うことがクロスボウによる犯罪の抑止となる。所有者は回収への協力を願いたい」としている。また、狩猟・有害鳥獣駆除または標的射撃などの用途で所持する場合も最寄りの警察で許可申請するよう、あわせて呼び掛けている。