大島北高 島の伝統野菜PR活動

リーフレットを配布する生徒たち=まーさん市場龍郷店前

 

 

「佐仁ニンジン」知って
手づくりリーフレット配布

 

 奄美市笠利町の大島北高校(松本勇二校長、生徒121人)は3日、絶滅の危機にある、島の伝統野菜「佐仁ニンジン」のPR活動を行った。生徒は「佐仁ニンジン」の種を付けた、手づくりのリーフレットを「まーさん市場龍郷店」及び「味の郷かさり」の店頭で、来店者40人以上に声を掛けながら配布した。

 同校の「総合的な探究の時間アマンday」で伝統野菜の危機について、探究活動を行った3年生の生徒4人は、絶滅の危機にあり、認知度も低い「佐仁ニンジン」の存在を知り、島の食文化を守りたいという思いから実施した。

 リーフレットの表紙は「奄美大島の絶滅寸前伝統野菜 佐仁ニンジンを知っていますか?」。中には①探究活動に取り組んだ4人の思い②伝統野菜とは③佐仁ニンジンとは④佐仁ニンジンの栽培方法(イラスト付き)―が記載された。

 「佐仁ニンジン」は、一般的なニンジンより見た目が細く、滋味=じみ=深い味(栄養豊富でおいしい)が特徴。栽培農家はわずか4人で、いずれも高齢者となっている。店頭での販売はなく、栽培者が近所の人に配ったり、祭りで使用されるだけになっている。

 担当の山岸清香教諭は「専門家や農家の話を聞くとともに、実際に栽培を行うことで、農業の大変さを知り、伝統を守りたい気持ちが強まったと思う」と話した。

 前田青海さんは「リーフレットは、中身を見てもらうことと、高校生らしさを重視して作成した」と話し、「島の人は快く受け取ってくれ、話もちゃんと聞いてくれた」と配布した感想を述べた。

 リーフレットを受け取った人からは「佐仁は地元なのでありがたい」「伝統を守ろうとすることはすばらしい」「実際に種を植えてみる」などの声が聞こえた。

 同PR活動は引き続き、9日午前11時から「まーさん市場龍郷店」で行う。