大江さん(前東京奄美会会長)がテレビ番組で審査員

自宅にある蒸留装置の前で充実の授業をした、大江さんと三村さん

大江さんが巻頭言を執筆した『化学装置7月号』

著名化学工学誌への執筆も

【東京】蒸留技術の第一人者で、前東京奄美会会長の大江修造さん(84)が、高校生が科学の知識を競う番組で審査員出演する。番組に登場した高校生の補足取材撮影が、このほど小平市の大江さん宅で行われた。また、大江さんは、著名化学工学専門誌に執筆している。

元東京理科大学教授(理学部応用化学科)で、蒸留の専門家でもある大江さんが出演するのは、「Q-1『~U18が未来を変える★研究発表SHOW~』」。近畿広域を放送対象にする朝日放送テレビ(ABC)が経済産業省と連携し、U18の高校生たちによる「世界の未来を変える9分間のプレゼンテーション」の審査員を務める。各界の有識者に交って抜てきされたもの。大江さんは、米国蒸留研究コンソーシアム顧問として登場する。兵庫・灘高などから出演者がエントリーされた超ハイレベルな『智の甲子園』といえるもの。林修さんが司会と審査員長の番組は、出演者のその後を追うことに。蒸留について発表した三村乙樹(いつき)さん(千葉・芝浦工業大学柏高校)の「勉強を重ねたい」の思いを、大江さんが快諾して、自宅へ受け入れた。

「圧倒されました」と三村さんが驚くほど、大学の研究室をはるかにしのぐ規模の装置を前に即席の講義になった。講師は、奄美との関わりや学生、社会人時代を説明。国内外で評価された蒸留装置「アングルトレイ」の発明など、研究成果を基に矢継ぎ早の質問に応じ「納得しました。こういう実験ができたらいいな」と目を輝かせる孫ほどの後輩に「化学工学をさらに研究してほしい。蒸留の未来も頼もしいですね」と目を細めていた。

7月17日に収録された番組は、今月18日の午後2時55分から4時30分までの放送。番組終了後はU-NEXTで配信され、TVer(ティーバー)でも見逃し配信される(2週間無料)。詳細は公式ホームページにある。

また、大江さんは日本を代表する化学工学専門誌『化学装置7月号』に巻頭言を執筆。手動が主の蒸留塔が、今後はAIでの自動運転も可能となると解説している。