台風14号最接近から一夜明け

白波が堤防を越えて押し寄せた大熊漁港(奄美市名瀬大熊、18日午前11時半ごろ)


強風で折れた松の枝(奄美市名瀬の朝日中学校近くの市道、18日午後0時30分ごろ)


台風の強風にあおられ倒伏したサトウキビ(喜界町川嶺地区、18日正午過ぎ)

台風の影響で倒伏したサトウキビ(奄美市笠利町、18日午後1時半ごろ)

9市町村、最大約700人が避難
人的被害なく住民安堵

 大型で非常に強い台風14号が接近した17日夜から18日にかけ、奄美大島、喜界島、徳之島の9市町村では、約240カ所の避難所に最大約700人が避難した。同日夜に暴風域に入った奄美地方では、気象庁が厳重な警戒を呼び掛けるなか、住民らは不安な一夜を過ごした。群島の各市町村によると、一部で倒木やブロック塀などが壊れる被害があったものの、けが人などの報告はなかった。各自治体では今後、家屋への被害やサトウキビなどの農業被害がないか詳しく調べることにしている。

 奄美市は避難所79カ所を開設、17日午後10時現在で、最大で183世帯260人が避難。地区別の避難者数は▽名瀬107世帯151人▽住用23世帯37人▽笠利53世帯72人。18日未明には同市を含む奄美地方北部の一部が暴風域に入り、奄美大島や喜界島では激しい雨と風速25㍍以上の暴風が吹くなど、住民は不安な夜を過ごした。

 同市以外の避難者数は、最大で▽龍郷町97世帯131人▽宇検村53世帯79人▽瀬戸内町51世帯66人▽大和村40人▽喜界町37世帯58人▽徳之島町25人▽天城町13世帯14人▽伊仙町4世帯11人。和泊、知名、与論町の避難者はいなかった。

 風雨が弱まり始めた18日午前11ごろには、多くの自治体で避難者が安どの表情で帰宅。避難者が最も多かった奄美市も午後2時15分に避難者全員が帰路に就いた。各市町村によると、この台風によるけが人など人的被害はないという。

 一方、大和村では同村湯湾釜の選果場裏の海側のブロック塀が倒れる被害が報告されたほか、天城町でも町道などで倒木が確認された。

 台風の影響で18日、奄美市名瀬の大熊漁港では、白波が堤防を越えて押し寄せた。同港近くにある朝日中学校脇の市道では、強風で折れた松の枝が道路に落ちていた。同市笠利町や喜界町では、台風の強風にあおられたサトウキビが倒伏するなどしており、今後被害状況などを確認する。