奄美をイメージした壁画完成

簡易宿泊所「AMAMI笑」に描かれた奄美をイメージした大きな壁画。中央に立っているのが制作者の青島江龍さん(提供写真)


玄関に描かれた壁画(提供写真)

壁画家・青島江龍さん描く
笠利町節田 簡易宿泊所「AMAMI笑」壁に
アート用スプレー塗料で

 「これはすごい、びっくり!。簡易宿泊所の壁に奄美をイメージした大きな壁画描く」―。壁画家・青島江龍さん(34)は、9月初旬から奄美市笠利町節田にある簡易宿泊所「AMAMI笑」(東芳江代表)の壁2カ所に壁画を描き始め、24日に完成した。使用したのはアート用のスプレー塗料。道路沿いの壁画は、高さ約6㍍×幅約8㍍あり、斜め中央部にザトウクジラを配置し、右上にソテツの葉や花、ハブ、右下にアマミノクロウサギ、カメ、左側にチョウ、オカヤドカリ、魚などが描かれている。東代表によると、制作中には節田小学校の児童、節田保育所の園児、節田集落住民らが見学に訪れ、興味深そうに眺め、「やっぱりプロだね」と感心する人もいたという。宿泊所は県道沿い近くにあり、壁画はドライバーの目にも飛び込んでくる。話題になりそうだ。

 江龍さんによると、「AMAMI笑」の壁画を描くことになったのは、東代表の長男・東浩也さん(32)とオーストラリアで知り合い、友達になったことがきっかけだった。

 江龍さんは、ニュージーランド、オーストラリア滞在中に街中に描かれた壁画と出合った。独学で壁画アーティストとしての活動を始めた。

 壁画に使うのは、アート用のスプレー塗料。自治体からの依頼を受けて公共施設に壁画を描き、企業、カフェ、レストラン、個人宅などにさまざまな壁画を描いてきた。

 大まかな作業手順は①下地塗料を塗る②ローラーで素地の色を塗る③スプレーでグラデーションをつけ、上の色をつけていく④作品が完成すると、最後にコーティング作業をする。

 江龍さんは9月1日に来島。奄美大島のイメージをつくり上げていくためにさまざまな場所を巡った。▽山のナイトツアー(ハブ、アマミノクロウサギ、コノハズクなどに出合う)▽土盛海岸▽奄美博物館▽大浜海浜公園▽名瀬の飲食店、豆腐店▽黒潮の森マングローブパーク▽ホノホシ海岸―など。

 「海がすごくきれいだと思った」「2~3週間住んでみて島民の暮らし、民俗に強い関心を持った」

 6日から宿の玄関の壁画制作に着手。▽ルリカケスの子育て▽カメ▽アカショウビン▽チョウ▽花木▽サガリバナ▽アマミノクロウサギ▽カエル―などが描かれている

 続いて道路沿いの壁画制作に移り、足場を組み制作。大きな壁画が仕上がっていくと、児童や園児、集落住民ら見物客が増えたという。東代表は「ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けた。

 「AMAMI笑」の場所は、県道を龍郷町方面から奄美空港へ向かうと、県奄美パーク、「味の郷かさり」の手前、左側にある。「AMAMI笑」の黄色い建物の色と壁画が目印になる。

 ※インスタグラム @koryu88