奄美群島成長戦略ビジョン2033の策定に向け協議した新ビジョン懇話会
奄美群島の10年後のあるべき姿などを提言、課題解決に向けた指針となる「奄美群島成長戦略ビジョン2033」の策定に向けて協議する「奄美群島新ビジョン懇話会」(座長・原口泉志學館大学教授、委員17人)の第3回会合が13日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。同懇話会の事務局を務める奄美群島広域事務組合が、今年度末に期限を迎える現行ビジョンに続く新ビジョン案を提示。委員からは奄美群島の自然環境や文化などを生かした独自の成長戦略や、10年後を見据えた新たな取り組みなど、さまざまな意見が出された。今後、意見の集約と政策への反映などを進め、今年度末の新ビジョン策定を目指す。
同懇話会は、各島代表の市町村長や有識者、国交省、県の代表者らで組織。新ビジョンの策定に向けた提言と、現行ビジョンの成果検証を行う。
同懇話会では昨年度2回会合を開き、「農林水産業」「観光・交流」「ものづくり」「情報通信業」を基軸とした経済振興と、「自然環境」「文化」「教育」に重点を置き、新たな3本柱「つなぐ宝」「稼ぐ力」「支える基盤」を基本理念に掲げたビジョンの骨子をまとめた。
今年度は骨子を基に、将来像実現のための基本方針や達成度を評価する指標、島別の基本方策などを具体的に示した新ビジョンの策定に向けた提言を行う。同懇話会の提言を受け、大島郡市町村長会が今年度末までに新ビジョンを策定する。
会合では、「つなぐ宝」などとしたビジョンの基本方針について「もっと具体性が必要では」といった意見があったほか、「10年後を見据えたビジョンとなっているか、もう少し内容を議論する必要がある」、「一般論に終始している。奄美にしかできないこと、奄美だからできることがあるはず。もっと奄美らしさを前面に出してほしい」などの意見があった。
同懇話会では今回出た意見などを集約、今年度末のビジョン策定に向けた提言をまとめる。
新ビジョンは今年度末に期限を迎える現行ビジョンに続く奄美群島の成長戦略の指針となる。期間は24~33年度。来年度末に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法の延長や新たな振興計画へ反映を目指し、23年度に新ビジョンの基本計画、実施計画をまとめる。