中学部活「地域移行」へ始動

公立中学校の部活動の地域移行について初会合を開いた同在り方検討委員会

奄美市検討委が初会合
まずは「休日」 25年度内の実施目指す

 国が進める公立中学校の部活動の地域移行について協議する「奄美市中学校部活動の地域移行在り方検討委員会」は25日、奄美市役所大会議室で第1回会合を開いた。まずは「休日の部活動の地域移行」を目標に、2025年度内の実施を目指す。委員らは趣旨や方針などの説明を受け、議論を開始。学校に代わる受け皿探しといった態勢づくりを進めていく。

 少子化の加速や教員の働き方改革で、学校単位の部活動が難しくなっていることが背景にある。市内では5月現在、スポーツ14種目、文化2種目の部活動に約7割の生徒が所属。部員数が不足し、近隣校で合同チームを結成するケースなども増えてきている。

 スポーツ庁などのガイドラインでは、23~25年度を「改革集中期間」と位置付け休日の地域移行を先行して実施。その後、平日の移行も検討していく。

 委員は市教育委員会職員を中心に学校長や総合型地域スポーツクラブの代表者ら19人で構成。専門家やコーディネーターの新たな参加も視野に、具体的な計画、モデル校による実践など取り組みに向けたアイデアを提起していく。

 初会合のこの日は、移行に向けたスケジュール案などが事務局から提示。市教育委の石神康郎教育部長は「どうすれば生徒が満足に活動できるのかを考え、みんながつながっていく話にしていきたい」と呼び掛けた。

 意見交換では、木場敏朗名瀬中校長が「チャンピオンスポーツを目指すのか、生涯スポーツとして取り組むのかで趣旨は異なる」と指摘。ASA奄美スポーツアカデミーの園田明理事長も「競技だけでなく(中学生は)人間力も高めなければならない時期。精神的にいかないような注意が必要だ」と訴えた。

 この他、地域で指導できる人材のリストアップなども要望。中体連大会に地域クラブなどの参加を認める動きについて確認を求める声などもあがった。

 次回は来年1月を予定。日程確認、検討課題の洗い出しなどを行う。