奄美群島の妖怪を紹介する原口尚子さん(漫画家・水木しげるさん長女)
「ケンムンは文化伝承につながる」
宇検村やけうちっ子環境学習
奄美大島の自然や文化を学ぶ、宇検村やけうちっ子環境学習「世界自然遺産博士講座」が10日、同村生涯学習センター元気の出る館であった。村内の未就学児や小中学生ら21人が参加。講師に原口尚子さん(㈱水木プロダクション取締役)を招き「妖怪と自然保護」のテーマで学習。奄美の妖怪ケンムンを通して、自然保護と文化伝承の意識を深めた。
村内の子どもたちを対象に、さまざまな分野の講座やフィールドワークから、郷土を理解することが目的。村教委が昨年度から実施している。
講師を務めた原口さんは、妖怪漫画「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる漫画家水木しげるさんの長女。同村阿室小中学校の岩切敏彦教諭とのつながりで、昨年度に続き2回目の講演。父・水木さんの視点から、国内と奄美群島の妖怪を紹介し「ケンムンと仲良くすることが文化を育む」と子どもたちに訴えた。
講演では日本の代表的な妖怪イッタンモメンやヌリカベ、奄美のケンムンなどを映像で説明。「目に見えない世界や別のものがあるかもしれない」と想像力を膨らませることが大事とし、「昔の人が感じたものが文化となる」「奄美の自然から何かを感じ、共有することが文化継承につながる」と提言した。
子どもたちからは「形のない妖怪が住めるような環境を守っていきたい」など活発な意見が出た。富岡優君(阿室小5年)は「いろんな妖怪を学べて楽しかった。他の地域の妖怪も、ケンムンと関連づけて調べてみたい」と妖怪調査に意欲を示した。
次回は1月、瀬戸内町の町健次郎学芸員による「奄美の自然・文化・民俗学」の講座。最終回の2月には学習発表会が行われる。