「宿泊税」などの法定外目的税の導入について協議した「新たな財源創設検討委」
観光などで奄美大島を訪れる来島者などを対象に徴収する法定外目的税や協力金の導入について協議する「奄美市世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会」(委員長・松田忠大鹿児島大法文学部長、9人)の第2回会合が20日、同市役所会議室であった。この日の会合では、法定外目的税として、入島税と宿泊税に関し、どちらを優先して議論していくかなどを協議。入島税については、導入のためのハードルが高いことから、宿泊税の導入に向けた協議を先行することを決めた。検討委として来年度以降も、新たな財源創設の可能性について議論を継続することを確認した。
検討委は昨年開催の世界自然遺産活用プラットフォームの提言を受け、奄美市が設置。行政や有識者、観光団体代表らで組織された。
法定外目的税の導入に向けては、「宿泊税」導入の検討を進めることを確認した一方、来島時に徴収する「入島税」については、協力が不可欠な民間航空会社の日本航空(JAL)から、徴収方法などについて、「システム改修費用が何十億規模で必要となる」などとして、導入は「現実的に困難」とする回答があったことが報告された。
また、入島税の徴収対象者を島外からの来島者に限定することについても「徴収対象を居住地によって制限することはできない」(JAL)という。
委員からは「入島税の導入はハードルが高い。まずは宿泊税の導入の検討を進めるべき」などの意見があった一方、「ここで(入島税の)議論を止めるのではなく、海外での導入事例などについても情報収集し、議論を継続していく必要がある」などの意見があった。
宿泊税については、ホテルなどでの徴収を想定。委員からは「宿泊事業者の理解を得る必要がある」との指摘があった。
このほか、長崎県雲仙市で観光客の利用が増加する市道について、利用者から協力金を徴収する取り組みを実施していることが報告された。奄美市では、住用町の市道三太郎線の夜間利用時の協力金徴収の在り方などについても協議しており、法定外目的税の導入と並んで、協力金の在り方についても検討していく。