20日告示の知事選を前にポスター掲示板が設置されている
任期満了に伴う県知事選挙の告示(20日)まで1週間に迫った。立候補を表明しているのは3人で、現職に新人2氏が挑む三つどもえの構図となりそう。現職の1期4年間の県政運営の評価が問われており、3陣営は県内各地での集会で政策の浸透を図っているほか、あいさつ回り、街頭演説、つじ立ちで知名度アップに取り組むなど有権者の関心を高めようと精力的な活動を展開している。
立候補を表明しているのは、現職で2期目を目指す塩田康一氏(58)、新人で元自民党県議の米丸麻希子氏(49)、新人で市民団体共同代表の樋之口里花氏(52)=いずれも無所属、表明順=。
現職の塩田氏は、平日は公務があるため、本人が出席しての集会を主に土日に開催。自民党、国民民主党に加え、連合鹿児島が推薦。「支援の輪が広がり、県民党、オール鹿児島の体制ができつつある。非常にありがたい」(塩田氏)とする一方、県医師連盟が推薦を一時取り下げるとした。陣営は「痛手だが、危機感を持って引き締めていきたい」と受け止めている。政策では「誰もが安心して暮らし、活躍できる鹿児島」を掲げ、奄美・離島振興は▽世界自然遺産など奄美・離島の自然や文化の魅力発信に取り組む▽生活環境、交通基盤、産業基盤などの社会資本の整備と更なる産業振興を図る―を挙げる。
米丸氏は各地でのつじ立ちや対話集会を重ねており、9日には鹿児島市の宝山ホールで「米丸まき子もっと、もっと、よくなる鹿児島キックオフイベント」を開催。陣営では若者の関心を高めようとSNS(インターネット交流サイト)を活用して日々の活動を積極的に発信している。女性団体のほか観光、経済関係団体、中学・高校の同窓会などからの支援を頼りに支持拡大を図っている。8日には15分野97項目のマニフェスト(政策綱領)を発表。鹿児島港本港区ドルフィンポート跡地への県新総合体育館計画見直し(反対)を掲げ争点にしているが、離島対策では観光・産業振興、I・Uターン促進で活性化など挙げる。
県民投票条例を制定し「大事なことは、県民の声で決める」を掲げる樋之口氏。先月31日にマニフェストを発表し、翌1日には支援組織として「みんなの声でかごしまをつくる会」が立ち上がった。市民運動のつながりにより新日本婦人の会、医療関係団体、反原発団体などで構成。奄美にも支援組織があり、8日の来島で支援者との対話集会に臨んだ。知事選では「軍事基地化反対」を最大の争点にする。離島政策は、▽離島物価解消へ輸送料に助成▽航空機や船舶の運賃補助拡充▽部活動などの大会旅費補助の拡充▽医師が常駐していない診療所への医師・看護師確保―など挙げる。
県選管によると、知事選の投票率は2004年には63・91%と60%台を超えたが、08年38・99%、12年43・85%と大きく下降。現職と新人の一騎打ちだった16年は56・77%に上昇したが、7人が立候補と乱立した4年前の前回は49・84%と50%台を下回った。