知事選 3氏マニフェスト

「大事なことは、県民の声で決める。」
「もっと、もっと、よくなる鹿児島。」
「みんなでつくる『鹿児島の今と未来』」

 県知事選挙に向け13日に現職の塩田康一氏(58)が発表したことで、立候補予定者3人のマニフェスト(政策綱領)が出そろった。発表順で、新人で市民グループ共同代表の樋之口里花氏(52)は「大事なことは、県民の声で決める。」、新人で元自民党県議の米丸麻希子氏(49)は「もっと、もっと、よくなる鹿児島。」、塩田氏は「みんなでつくる『鹿児島の今と未来』」をそれぞれスローガンに掲げる。

 樋之口氏は最も早く5月31日に発表。重点政策に県民投票を通じて、県民の意思を広く聴く仕組み(常設型の県民投票条例)を導入、「納得と合意の県政をつくる」を掲げる。

 主要政策は①子育て支援の充実(高校卒業までの医療費窓口負担ゼロ、学校給食費の無償化など)②医療・福祉の充実(公的病院の統廃合計画や病床削減ストップ、基金活用し国保税引き下げなど)③安心・安全な暮らし(九州電力川内原発1、2号機の20年運転延長の是非問う県民投票、馬毛島への基地建設・奄美大島とさつま町への弾薬庫整備計画に反対姿勢で国に臨み県民投票など)④地域の産業、労働者を大切に(域内経済循環の仕組み整備、「公契約条例」制定など)―など。

 県が鹿児島港本港区ドルフィンポート(DP)跡地に計画する新総合体育館事業の見直しを出馬の最大の理由とした米丸氏は今月8日に発表。人口減少社会に向き合う、新・かごしま共生ビジョンとして15の約束を掲げた。

 この中では、▽若い世代が希望を持てる人口減少対策▽子どもファースト戦略、学びの改革▽県民所得アップ!「稼ぐ」と「分配」強化▽原発に頼らない社会、再生可能エネルギー先進県へ―などを挙げており、観光立県に向けてDP跡地は世界に発信できる公共パブリックスペース、鹿児島空港の再整備と民営化、鹿児島版DMO(観光地域づくりを行う法人)設立など打ち出している。

 最後にマニフェストを発表したのが塩田氏。131項目に及び、1期目からの看板政策の「稼ぐ力」の向上では基幹産業である農林水産業や観光関連産業の更なる振興に取り組むとともに、技術力の高い製造業や情報関連産業など新たな産業創出を掲げる。人口減少対策は、子ども・子育て支援施策の充実・強化に取り組む。

 奄美・離島の振興は「ポテンシャルを生かしながら、一層の振興に取り組む」として▽改正奄美群島振興開発特別措置法の新たな計画に基づく各般の取り組み推進▽屋久島、奄美大島・徳之島の世界自然遺産としての価値を守り、継承しつつ、観光資源としても活用し、保全と利用の両立―を示している。

 なお、日本青年会議所(JC)九州地区鹿児島ブロック協議会は17日午前10時半から、鹿児島市勤労者交流センター(よかセンター)で知事選の公開討論会を開く。立候補を表明している現職と新人の計3氏が参加予定。討論会の模様は同協議会のユーチューブチャンネルでも生配信する。