新生児に「銀のさじ」贈呈

重信琥珀ちゃんの健やかな成長を祈り「銀のさじ」が贈呈された(14日、龍郷町町長室)

 

 

「KOHAKU」と刻印された純銀製のさじ

 

 

「生まれてくれてありがとう」
龍郷町 第1号は琥珀ちゃん

 

 

 龍郷町は14日、新生児の健やかな成長を祈り2024年度からスタートさせた「銀のさじ贈呈事業」の第1号として、8日に誕生した男児に純銀製のスプーンを贈った。町長室で贈呈式があり、竹田泰典町長は「龍郷町に生まれてくれてありがとう」と目を細め祝福した。

 同事業は、「銀のスプーンをくわえて生まれた赤ちゃんは幸せになれる」という、19世紀ヨーロッパの上流階級の習わしにあやかったもの。作家・中勘助氏が病弱だった幼年期を自伝的に書いた『銀のさじ』(新潮文庫)に感銘を受けた町民からの提案で実現した。

 第1号となったのは、浦集落の会社員・重信裕平さん(34)と看護師・温子さん(34)の長男として8日午後7時9分、3304㌘で誕生した琥珀(こはく)ちゃん。「長寿・繁栄」という琥珀の宝石言葉から命名したという。

 名前や生年月日などが刻まれた純銀製のスプーンを手にした裕平さんは「一生の記念になる。親として、健康で元気に育ってほしいと願うだけ」と話した。

 温子さんは「祖父母も働いており、長女(6)の学童、次女(2)の保育園とも午後7時まで預かってもらい助かっている」と町の支援に感謝を表した。

 銀のさじ贈呈は、24年4月1日以降に出生届のあった新生児が対象(申請が必要)。

 同町では、今年度から出産祝い金を増額(第1子=5万円、第2子=10万円、第3子=15万円)。4月に立ち上げた「子ども家庭センター」では、子ども子育て支援パッケージとして、0~2歳児の保育料減免や宿泊型産後ケアなども導入し、働きながら子育てができる環境づくりに支援を充実させている。