法面の崩土で通行止めとなった現場の一つ伊仙町面縄「五ラン線」=15日午後2時頃
梅雨前線による記録的な大雨で土砂災害警戒情報が出された徳之島3町では15日、徳之島町が町内全域に避難指示を発表、避難所を開設した。町道などの土砂崩れが相次ぎ通行止め箇所が出ている。
徳之島町によると、同町は5段階の大雨警戒レベルでレベル4に相当する土砂災害警戒情報を出し、午前9時40分頃、町内全域に高齢者等避難の情報を発表。同10時40分頃には避難指示(町内全域)に切り替え、避難所を10か所開設。2か所に2世帯6人が避難したが、午後5時過ぎ現在では1か所に1世帯4人が避難している。被害では土砂崩れや道路の冠水が発生。土砂崩れは町道15か所で確認され、うち7か所を崩土により通行止めとしている。同町母間で家屋の裏山の土砂が崩れたという情報が役場に寄せられたが、家屋の被害等については天候の回復を見て調査する。
天城町は河川付近、土砂災害警戒区域の10集落約200世帯約400人を対象に高齢者等避難を午前10時50分頃に発表。避難所は4か所開設した。被害は林道や町道の2か所で土砂崩れによる通行止めをしているが、生活道路ではなく山道で、大規模な土砂災害は発生していない(午後5時現在)という。
伊仙町は午前10時半頃、町内全域を対象に高齢者等避難の情報を発表。被害は土砂崩れが4か所で発生し、うち1か所(農道面縄地区)を崩土で通行止めにしている。
徳之島3町以外では瀬戸内町が午後5時、町内全域を対象に高齢者等避難情報を発表。「大雨注意報だが、今後強くなるおそれがあり、夜間の避難は危険」(役場防災担当)との判断から。また、県大島支庁瀬戸内事務所は県道名瀬瀬戸内線で崩土が発生したとして午後6時、同町久慈―宇検村名柄区間の延長5800㍍を全面通行止めとした。う回路は湯湾新村線、篠川下福線。
【徳之島】この記録的な大雨で土砂災害警戒情報が発表された徳之島3町では、民家の裏山の一部が〝地滑り状〟に崩落して民家の一部を損壊する被害が徳之島町母間地区であったほか、土砂崩れや路面陥没などによる通行止めが計14か所、床下浸水1件などが確認された(15日午後6時頃現在)。幸いけが人の情報はないという。
「テレビを観ていたら窓の外の電話線が切れた。お隣さん宅をのぞくと電線も切れて火花が散り、土砂崩れで家屋が見えなくなっていた」――。徳之島町母間では午前11時頃、民家の裏山の土手が幅約15㍍にわたって崩壊し、土砂が同家屋の一部を押しつぶして、大量の土砂が町道を覆った。同被害家屋の住民(70代女性)は関西に旅行中で難を逃れた。隣人は「通行人を含めけが人がいなかったのは幸いだった」と胸をなでおろしていた。