それぞれの主張を語る(左から)塩田氏、樋之口氏、米丸氏
【鹿児島】7月の鹿児島県知事選挙で17日、立候補予定者による公開討論会が鹿児島市の市勤労者交流センターであった。現職の塩田康一氏(58)、新人で市民団体共同代表の樋之口里花氏(52)、新人で元自民党県議の米丸麻希子氏(49)、立候補を表明しているいずれも無所属の3人がそれぞれの主張を繰り広げた。なお僧侶で無所属の神宮司龍峰氏(70)は、都合により欠席だった。
討論会は日本青年会議所(JC)九州地区鹿児島ブロック協議会が主催。①子育て世代への支援②地域経済活性化に向けての取り組み③観光、文化の発掘、発信④少子高齢化による生産人口の負担増加―の四つのテーマについて、各候補がそれぞれの持論や掲げる施策などを語った。
最後にフリートークと題して、それぞれの候補の質問に他の2人がどう考えるかについて答えた。
塩田氏が進める楠隼中学・高校の共学化については、樋之口氏が「大賛成」と述べたのに対して、米丸氏は「慎重に進めるべき。今の楠隼の生徒や保護者の中には男子校であることを誇りに思う人も大勢いる。共学化するために多額の費用もかかる。もっと実際の生徒や保護者の声に耳を傾けるべき」と苦言を呈した。
樋之口氏は川内原発運転延長問題に関する県民投票の是非に関する見解を尋ねた。米丸氏は「原発はない方がいいが、すぐ止めるのは難しい」としながらも「県民投票で意見を聞くことは大切。地域の未来にかかる重要な問題なので、住民の声をしっかり反映することが重要」と主張した。塩田氏は「安全性が最重要。県の原子力安全専門委員会でしっかりと検証することをずっとやってきた。県議会の判断や、パブリックコメントなどを活用しながら、住民の意見を聞くことに努めてきた」と話した。
米丸氏はドルフィンポート(DP)跡地に建設予定の新総合体育館の是非について尋ねた。塩田氏は「桜島の景観を守るために街づくりや建築の専門家から意見を聞いた。景観の保全に最大限配慮しつつ建設を進めていきたい」と説いた。樋之口氏は「新しい体育館が必要という考えは理解できるが、DP跡地が適切か、計画に要する費用については疑問を持っている。桜島の景観を損ねることは避けられない。今後の鹿児島の観光にとってプラスになるとは思えない」と述べた。
県知事選は20日告示、7月7日に投開票がある。