瀬戸内町産パッション

瀬戸内町産のパッションフルーツの分析にあたる参加者たち

糖度高く「品質良好」
産地協が果実分析検討会

 瀬戸内町の初夏の特産品・パッションフルーツの果実分析検討会(瀬戸内パッションブランド産地協議会主催)が17日、同町せとうち物産館であった。町内の生産者19人が持ち寄った30点の糖度、酸度などを分析。今期の瀬戸内町産の平均糖度は平年比0・5度増の18・1度、平均酸度は0・08%増の2・43%で、担当者は「生産量は少なくなったが、今期の品質は良好だ」と評価した。

 協議会は2016年に発足し、検討会は産地の技術向上などを目的に毎年この時期に行っている。生産者らによると、今期は春先の日照不足や気温が低かった影響で、繁忙期は例年より2~3週間遅れている。収穫作業は7月末から8月上旬にかけて続く見通しで、収穫量は前年比4・7㌧減の33・8㌧を見込んでいる。

 分析機では1点ごとに2果実を搾り、果実重、糖度、酸度を測った。品種はルビースターが19人・30点、サマークイーンが1人・2点の出品があり、ルビースターは、果実重91・4㌘、糖度18・1度、酸度2・43%で、最高糖度は18・9度だった。10~23年の14年間の糖度平均値は17・6度。平年より0・5度高く、17年の18・8度、23年の18・4度に次いで3番目に高かった。サマークイーンは、果実重86・0㌘、糖度17・5度、酸度2・34%だった。

 同協議会の会員は現在26人。里山正樹会長(51)は「糖度は思っていたより高く、酸も高かったが1日か2日もあれば抜けてくるだろう」と講評。近年は若者の就農も増えつつあるといい「若い人が働きたくなるような対策を考えながら産地を盛り上げていければ」と期待を込めた。

 町農林課によると、皇室献上品は14日に10箱を発送済み。19日には県知事、24日には県大島支庁長にも届ける。今年のパッション祭りは収穫減に伴い中止としている。