三差路に移動方針

金作原の利用適正化について意見が交わされた(28日、アマホームPLAZA)

金作原ガイド車両駐車場 大規模造成の課題残す
利用適正化会議

 2024年度第1回奄美大島利用適正化連絡会議(事務局=県自然保護課奄美世界自然遺産室)が28日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。関係機関から42人が出席。金作原国有林で19年から導入されている車両規制や認定ガイド同行などの将来的なルール改善について、自然保護や観光振興の立場から意見を交わした。

 同会議は、環境省、林野庁、県、市町村、自然保護団体、観光団体などで構成、自然環境を保全しながら観光資源としての適正な活用を図ることを目的に17年に設置された。

 利用状況の報告では、車両の1日あたり平均入り込み台数は、22年の8・7台から23年10・4台、24年10・2台と春休みや夏休みなどを中心に増加傾向。5月の大型連休中の調査では、車両の全てが認定ガイドによるツアー利用だった。

 林道知名瀬線から市道あまみ中央線に合流する地点(通称・三差路)とゲート付近にある、認定ガイド車両(8台分)の駐車スペースの一般車両の利用はなかった。

 事務局は将来的な方向性として、認定ガイド車両の駐車場所を三差路に移動させ、三差路とゲートの間の歩行者の安全を確保する方針を示した。この場合、三差路の隣接地に大規模な伐採・造成を伴う駐車スペースの確保が必要となるため検討課題とした。

 バスの運行会社からは「道が狭く事故の心配も尽きない。直接乗り入れをしない方向で考えてもらいたい」との意見が出された。

 通信圏外の箇所が多い散策コース内に電波の届く地点の表示や、緊急連絡のため中継アンテナの設置を要望する声もあった。AED(自動体外式除細動器)の設置要望などを含め、11月頃開催予定の第2回会議で方向性が示される。