LCC就航10周年 感謝込めイベント

LCC東京(成田)―奄美線が就航10周年を迎えたことに感謝の気持ちを示し、搭乗客へ記念品が配布された

成田発の奄美空港到着便に行われた放水アーチ(ピーチ・アビエーション提供)
期間限定で特別仕様のしまバスが奄美大島を運行している

記念品配布や放水アーチ、特別仕様バスも
ピーチ執行役員「通年運航へ努力」

LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーション(大橋一成代表取締役)は1日、東京(成田)―奄美線の就航10周年に感謝を込めイベントを奄美空港で開催した。同日から同空港発着の2路線(成田線、関西線)とも毎日運航が再開されたが、安定運航を求める地元の要望に対し来島した同社執行役員は「通年運航へ努力」していく姿勢を示した。

航空路線利用者の運賃負担が大幅に軽減されるLCCの奄美大島への就航は2014年7月1日。当時のバニラ・エアが開設、19年10月1日から現在のピーチが運航している。関西線を含む2路線が運航されており、これまで10年間の累計搭乗者数は約135万人(成田線約90万人、関西線約44万人)に達した。

空港到着口で行われたイベントには、奄美大島・喜界島航路対策協議会の安田壮平会長(奄美市長)、県大島支庁の松藤啓介支庁長、観光関係団体代表などが出席。ピーチからは執行役員の福島志幸(もとゆき)・事業戦略企画統括が参加した。午前7時7分に成田発の便は同9時34分に到着。174人(幼児3人)が搭乗したが、安田会長や福島執行役員らが首都圏からの利用客を迎えるとともに、感謝の気持ちを込めて記念品(大島紬を織り込んだ特製キーホルダーと黒糖)を一人一人に配布した。

また、この日から期間限定(9月末まで予定)で特別仕様のしまバスの運行を開始。運行区間は奄美空港―名瀬市街地―せとうち海の駅(予定)で、LCC路線が就航10周年を迎えたことと「ありがっさまりょうた!」の文字で島民への感謝を伝えている。

LCC就航10周年に対し、安田会長は「就航により奄美大島の観光は格段に成長した」と述べるとともに、今年1月の要望活動を振り返り「就航2路線の減便、運休の影響は予想以上に深刻で、成田発の運航時間を現在の始発便ではなく以前のようにしてほしいという要望も強い。地元観光業界は通年運航を求めており、毎日あるいは週数便でも運航を継続してもらいたい」と指摘。福島執行役員は「地元の要望については真摯(しんし)に受け止めている。通年運航がポイントであり、これから冬の時期になるが、通年運航ができるよう努力していきたい」と述べた。