徳之島町井之川中 伝統の「追い込み漁」体験

バシャバシャと格闘。伝統の「追い込み漁」に挑戦した井之川中の生徒たち=6月30日、徳之島町下久志海岸(提供写真)

バシャバシャと格闘

 【徳之島】徳之島町立井之川中学校(園田泰浩校長、生徒数23人)の親子親睦イベントの「追い込み漁体験」がこのほど、学校近くの同町下久志海岸であった。生徒たちは〝地域の先生〟らプロの指示に従い、バシャバシャと水しぶきを上げながら魚を網に追い込むなど、古来の伝統漁法に挑戦した。

 夏本番の青空が広がる中、同親睦イベントには生徒や保護者、教職員、学校運営協議会委員、地域住民など約50人が参加。広い礁湖が広がる同海岸では、地元の同漁法のプロたちが潮時を見計らって事前に漁網を仕掛けて一行を迎えた。

 生徒たちは救命胴衣を着用して浅瀬に横一列に並び、合図とともに一斉に沖方向にバシャバシャと進撃。心を一つに力を合わせて追い込んだ獲物は、体長約20㌢のシマハギやブダイなど30匹以上。自分たちの手で得た鮮魚は、生徒たちの各家庭へのお土産になった。同海岸ではごみ拾いも兼ねて環境保全にも貢献した。

 追い込み漁を指導した地元の宿泊業・時亮(ときりょう)さん(46)は「島の伝統の追い込み漁を子どもたちが体験し、喜んでもらえてうれしい。無事に開催できてよかった」とにっこり。

 生徒の一人・福田一姫さん(3年)は「初めての追い込み漁体験。漁の大変さや難しさも分かった。捕った魚は自宅で焼き魚にして食べたが、おいしかったです」と話した。