世界自然遺産通して交流

市街地活性化策「なぜまちまーじんゆらおう計画」を説明する「まちづくり奄美」の元野建三主任(右)と屋久島町商工会女性部会員ら(6月23日、奄美市のAiAiひろば)

屋久島町商工女性部、AiAiひろば視察
活性化への取り組み検証

 屋久島町商工会女性部(下野宣子部長)は6月23日、奄美市名瀬のAiAiひろばを訪問し視察研修を行った。同施設前路上を交通規制して開かれる「なぜまちマルシェ」を見学したほか、地域活性化への取り組みを検証。世界自然遺産登録を通した、両地域による交流が図られた。

 同女性部は全国商工会連合会のビジネスコミュニティ型補助金の活用による事業名「着地型観光誘致に向けたセミナー及び先進地視察研修」のため3日間の日程で初来島。観光に関わる広報、宣伝方法の検証を目的に宿泊業、飲食業など営む会員10人が参加した。

 研修最終日のこの日、AiAiひろばを訪れ、指定管理者「まちづくり奄美」の元野建三主任(50)が、2023年に奄美市通り会連合会が策定した「なぜまちまーじんゆらおう計画」を説明。起業・創業、遊び、イベントなど19分野90項目のプロジェクトで展開する、中心市街地の活性化に向けた活動概要が伝えられた。

 元野さんは「屋久島も地域振興に携わる人材が減少傾向など、共通の課題があることを知った。しかし、奄美に比べ観光人口は多い。名瀬の商店街は地元型だが、増加傾向の観光客に対応できるよう意見を取り入れたい」と話した。

 下野部長(71)は「始めから行政の力を頼ろうとしない計画策定に奄美の底力を感じた。クロウサギと屋久島のウミガメを通した観光面のつながりが築ければ」と語り、同商工会の桑畑佑宇矢経営指導員(39)は「屋久島は海外観光者の比率は奄美に比べて高く、外国の方への対応に慣れている面はある。その取り組みなど今後も情報交換ができれば」と交流継続に期待を込めた。

 屋久島は1993年、青森県の白神山地とともに国内で初めて世界自然遺産に登録。世界有数のウミガメ産卵地で、2005年には国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に「屋久島永田浜」が登録された。