斬新なプロダクト提案が相次いだ「ハッカソンin徳之島大会」=5日、天城町役場
【徳之島】NECグループのNECソリューションイノベーター㈱(NES、本社・東京都)のアプリやシステム開発部門スタッフ30人による「ハッカソンin徳之島大会」の成果発表会が5日、天城町役場であった。同島の魅力や課題を体感し、内外にアプローチするプロダクト(アプリ・ソフトウエア)の成果を競った。最優秀作は「徳之島の魅力は『人』」とも強調した。
「ハッカソン」はアプリやシステム開発を担当するエンジニア、デザイナー、プログラマーなどが集まり、集中的に開発するイベント。NESは、和歌山県白浜町のサテライトオフィスなどで例年実施。今回初めて合同会社・あまみ絆ファーム(徳之島町母間)と天城町商工会との縁で実現。NES本社や支社などの20~50歳代のエンジニアら30人が3日から同島入りしていた。
ハッカソンの全体テーマは「アイデアを考えよう&クラウドサービスを活用しよう&繋がろう」。同島の特徴を考慮したキーワードは「休眠施設」「福祉」「ローカルツーリズム」。天城町与名間のリゾート宿泊施設が拠点の〝ワ―ケーション〟で計6班を編成。製作日数「1日半」ながら、AI(人工知能)やQRコードも駆使、Webを通じ公開利用できるアプリ製作にチャレンジした。
発表には、地元から樟南第二高校生2人と一般2人(システムエンジニアン)の班も特別参加した。7班の各発表時間は6分間。森田弘光天城町長ら地元関係者も交えネット(ZOOM投票)で審査。ビジネス性(展開度)や独創性(アイデア)、実現度合い(機能度)など総合点で競い合った。
最優秀賞は「ゆいちゃんAI―ローカルツーリズム」を製作した宇田創(はじめ)さん(24)=ら「さかな」チーム(4人)が輝いた。世界自然遺産登録で期待された観光客が増えない中にあって「徳之島の方々との交流に価値を感じた。外から来た人々にも優しく、徳之島の魅力は人」。釣りや闘牛、高齢者など「人」の登録、チャットを通じた旅行客への提案・交流のフローなども紹介した。
ほか発表は、人口流出が続く中での新たな雇用創出や、完全個人型のインバウンドをターゲットにした観光プラン、ローカルツーリズムと福祉の両課題を解決できるシステム、創造島で非日常的な体験―など含め多岐にわたった。
ローカルツーリズム観光客のニーズに叶えるアプリ「観光★マンゴーとくのしまっちんぐ」製作に参加した樟南二高の吉田わかなさん(3年)は、「最初は出来るか不安だったが、協力し合って出来て良かった。将来の目標はIT関連のシステムエンジニアです」とにっこり。地元関係者からは全般的に好評だった。