「うらとみ幻歌」のCD発売をPRする川口真知子さんとセントラル楽器の指宿正樹会長(6日、奄美新聞社)
昨年あった第17回奄美歌謡選手権大会で最優秀賞を受賞した川口真知子さんの受賞記念CD「うらとみ幻歌」を㈱セントラル楽器(奄美市名瀬末広町)が企画・制作し、発売している。シマ唄でうたわれているうらとみ、むちゃかなの悲哀に満ちた生きざまと母娘の愛情を歌謡曲で分かりやすく伝えており、川口さんは「子を思う親の気持ちを感じ取ってもらえたら」と話す。
シマ唄で悲劇の唄として知られるのが「うらとみ節」と「むちゃ加那」。川口さんのレコーディングにも立ち会ったという同楽器の指宿正樹会長は「シマ唄のタイトルは知っていても内容を知らないという人が多い。つやっぽさが魅力の川口さんの声、歌を通して薩摩藩時代の歴史の流れ、翻弄(ほんろう)された母娘の物語を多くの皆さんが知ってもらえたら」と制作の意図を語る。
CD盤面を大島紬の龍郷柄でデザインしている受賞記念盤は、「うらとみ幻歌」のほか、「あした夢みて」、カバー曲の「想(おも)い出の喜界島」の3曲収録。オリジナルの2曲は有光あきらさん作詞、久永美智子さん作曲。「うらとみ幻歌」は珍しいセリフ入りで、6分35秒にわたってうらとみの出身地・加計呂麻島生間(いけんま)、父母と小舟で別れた後にうらとみがたどり着き、やがてむちゃかなが生まれた喜界島小野津(おのつ)、むちゃかなの遺体が見つかった奄美市住用町青久(あおく)とそれぞれ三つの舞台を表現。CD内の歌詞カードには加計呂麻島から喜界島方向の眺望、喜界島にあるうらとみの墓・むちゃかな公園、青久にあるむちゃかなの碑を写真掲載で紹介している。
じっくりと聴き入ることで母娘の悲話と同時に愛情にも触れることができそうだ。
6月9日から発売しているCDの価格は1500円(税込み)。問い合わせはセントラル楽器電話0997・52・0530へ。