渡り初めをする住民ら(6日、奄美市名瀬)
橋の上で八月踊りをする住民ら(6日、奄美市名瀬)
奄美市名瀬の平田町中央自治会(當弘道会長、162世帯、会員約480人)は6日、同市が改修を進めている「北与儀又橋(きたよぎまたばし)」の施工が完了したお祝いを兼ねて渡り初め式を行った。安田壮平奄美市長ら48人が参加し、新たな一歩を踏み出した。
同橋は1973年12月に完成し、市道29号と国道58号を結ぶ。以来、地域住民の生活に欠かせないものとなっていたが、経年劣化により、2022年度の同市の調査で「構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずるべき状態」の早期措置段階にある橋として、改修工事が進められていた。
渡り初め式で安田市長は「スタイリッシュで現代的な橋になった。建設会社と地域住民との協力もあり、この橋が市と地域をつなぐ懸け橋になれば」とあいさつ。地域住民から施工を担当している村上建設㈱(奄美市)へ花束と感謝状の贈呈の後、最年長の満英良さん(97)を先頭に安田市長らが渡り初めし、最後は全員で「島のブルース」をBGMにチヂン(太鼓)を持って八月踊りを行い、祝福した。
同自治会最高顧問の春山昭さん(81)は「住宅の後ろは崖崩れの危険性もあり、この橋は災害時などには避難経路にもなる『命の橋』。コンクリートの破片の落下などで崩れる心配もあったが、これで安心できた」と話した。
施工した村上建設の増伸人取締役工事部長(57)は「地域の皆さんには工事期間中ご迷惑をおかけしたが、『頑張って』などの声が励みとなり、またこのような場を設けてもらい、私どももうれしい」と語った。同社は地域住民に対して工事へのお礼を兼ねて鉄製のごみステーションボックスを寄贈した。