3候補者が最後の訴え

(右から)米丸麻希子氏、樋之口里花氏、塩田康一氏

声からし遊説 鹿児島市内で締めくくる
県知事選最終日

 県知事選は6日、選挙戦最終日を迎え、3人の候補者は各地を遊説し、最後のお願いに奔走した。物価高騰、人口減少、新総合体育館計画、原発運転と、生活に直結する課題が山積する中、県政課題への姿勢の違いも浮き彫りになってきた。最後は大票田の鹿児島市内に集結し、「鹿児島の未来を一緒につくろう」「知事に押し上げて」と声をからし支援を訴えた。

 元自民党県議の新人米丸麻希子氏(49)は、午前中は地元の姶良市周辺を回り、午後から鹿児島市内入り。

 山形屋前で街頭演説した米丸氏は「退路を断ち切り立候補した。全ては県民の皆さまの声を実現するためだ」と改めて強調した。新体育館計画を巡るドルフィンポート跡地の建設問題に触れ、「(まちの声を聞くと)ほとんどの人が反対している。昭和と同じやり方でハコモノだけを造っていいのか」と声を張り上げた。教育についても「今の子どもたちがどう世界と共存するのか本気で考えなければ乗り遅れてしまう」と主張。最後は「明治維新は鹿児島から起こった。令和の維新も一緒に鹿児島から起こしていこう」と熱く呼び掛けた。

 市民グループ共同代表の樋之口里花氏(52)は鹿児島市内13か所で街頭演説し、政策の浸透を図った。最後の演説会場に選んだのは、天文館献血ルーム前。「勝手に決める県政はもう終わりにしよう。本当に大事なことは県民の声で決めていきましょう」と訴えた。

 原発運転延長を巡っては「40年の設計寿命を迎えており、国の言うままに認めてはいけない」と改めて主張。是非については「県民投票を行い、合意と納得の上で進めなければならない」と語気を強めた。

 最後は「県民の命と暮らしを守るため全力を尽くしたい」と主張。「みんなの力で県知事に押し上げてほしい」と訴えた。

 現職の塩田康一氏(58)は、南さつま市などを回り、午後から鹿児島市内に入った。天文館献血ルーム前など3か所で街頭演説を行い、「地域をいかに発展させていくか。これには鹿児島の〝稼ぐ力の向上〟が重要だ」と訴えた。稼ぐ力については「これを強化することが若い人含めて地域の人が安心して暮らし働いていく持続可能な社会が実現につながる」と主張した。

 最後はJR鹿児島中央駅東口の若き薩摩の群像前で声を上げ、「県政の多岐にわたる課題、一つ一つ着実に皆さんの声を反映し、前に進めてきた」などと実績を強調。「選挙戦も本日が最後。一人一人の支援の輪を広げ、2期目も託していただきたい」と述べた。