最優秀賞と東京都知事賞に輝いた記原さんのサツキ
花が散った後、枝葉の手入れをする記原さん(いずれも提供写真)
【東京】天城町出身で横浜市在住の記原正一郎さん(79)が、日本皐月(さつき)協会がこの春に開催した「2024さつきフェスティバル」で最優秀賞と東京都知事賞を受賞した。奄美高校・東京配田ヶ丘同窓会で顧問も務める記原さんは「一層の努力でサツキの魅力を伝えたい」としている。
記原さんがダブル受賞したのは、日本皐月協会が5月16~19日にわたって台東区の上野恩賜公園などで(一社)日本皐月協会が開催した「2024さつきフェスティバル」でのもの。上野の皐月展と呼ばれ親しまれており、毎年多くの見学者が訪れる皐月界屈指のイベントだ。最近では日本人ばかりでなく、盆栽好きの外国人らも鑑賞に訪れるようになっている。出品した「寿光」は、樹高約35㌢で、樹木の根の一部が土の上に出て露出している根上がりと呼ばれる作品。樹齢は約50年で、20年ほど前に入手し手塩にかけて育ててきた。「この作品で受賞したのは初で、うれしさが段々とこみ上げています」と喜びの声を寄せた。
また「花は1~2輪しか咲いていませんでしたが、妙なる根上がりの張り具合が評価されたのかも」と受賞理由を解説した。記原さんを夢中にするサツキの魅力は「多彩な花の美しさと、花の咲いてない時期でも盆栽としての自然美も楽しめること」だそうだ。
さらに体や手先を動かすことで「健康維持にもつながっているのでは」といいことだらけの様子だ。趣味で始めたサツキ栽培歴は40年以上、横浜市の「浜友さつき会(会員28人)」の会長も務めている記原さんの作った新品種「島そだち」は、2019年に日本皐月協会に登録されている。
15日に新宿区で開催される「奄美高校・東京配田ヶ丘同窓会」には、丹精込めて挿し木で増やされた島そだち6鉢が、じゃんけん大会でプレゼントされる。華麗なサツキと記原さんの笑顔が、今年も花を咲かせて待っている。