オリジナル・アパレルブランド「MIHARUKA」を立ち上げ、ポップアップストアでアピールする小林美晴さん=9日、天城町役場・町民ホール
【徳之島】天城町地域おこし協力隊OGが立ち上げたオリジナルアパレルブランド「MIHARUKA(ミハルカ)」の地元初イベントの「ポップアップストア」が1同町役場1階・町民ホールで開催中だ。両親のルーツの島と海外との「繋(つな)がりから生まれた素材で創造する」をコンセプトにした〝メイドイン徳之島〟。関西を代表する百貨店も注目し、異例のイベントのオファーを寄せている。
創設者は、大阪出身で、両親のルーツの島の天城町地域おこし協力隊(町移住コンシェルジュ)を務めた小林美晴さん(37)=同町岡前在住=だ。服飾分野への傾倒は、JICA(海外協力隊)でマレーシアに派遣された際に「バティック」(ろうけつ染め技法の生地)に魅了されたことがきっかけという。
帰国後、高校保健体育教師に就くが、再び海外への渡航。イタリア・フィレンツェでアパレルブランドの門をたたき、服飾関係の技術を磨いた。同国で徳之島出身者との出会いの縁もあり、徳之島でのオリジナルブランドの立ち上げを決意。2014年から地域おこし協力隊を務めながら模索し、23年9月に念願の「MIHARUKA」立ち上げを果たした。
小林さんの素材へのこだわりは「多くの地元農家との出会いから着目した市場に出せないパッションの染料への活用」にも。さらには、ろうけつ染めを研究する中で、足元で見つけた養蜂ミツバチの巣の蜜蝋を精製した美しい黄色だった。これらの素材は1点1点のデザインと風合いが違うオリジナルのデニムパンツやTシャツにラインアップした。
森田弘光町長が呼び掛けた同役場での「ポップアップストア」では、製作実演や展示販売、セミオーダー受け付け、ろうけつ染め原料を使った「みつろうラップ」制作体験(1枚500円)コーナーも設置され好評だ。8日に始まり12日(午前10時~午後5時)まで開かれる。
一方、関西での同ブランド「POP UP STORE(ポップアップストア)」は8月21~27日(営業時間午前10時~午後8時)、阪急百貨店うめだ本店10階「うめだスーク」(南街区スーククローゼットイベント)で開かれる。
関西での小規模ポップアップの際、同百貨店のフロアバイヤーの目に留まった。「島からの発信は黒糖や果物など1次産業品がほとんどで、副産物を使った創造商品は少なかったと思う。いずれは海外にも発信したい」と小林さん。同百貨店会場には出身者たちを含め多くの来場を呼び掛けている。