JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は12日、7月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、公表した。子牛市況の総平均は前回(今年5月)の44万430円から3万6997円下落の40万7373円となり、40万円台ぎりぎりまで値を下げた。枝肉価格が「弱気配」であることが下落につながった中、商品性向上対策が求められている。
7月競りは2日の与論市場から開始、7日の奄美大島、喜界市場で終了した。全体の入場頭数は1878頭(雌864頭、去勢1014頭)で全て売却。平均価格は雌34万1669円(前回比3万1762円安)、去勢46万3358円(同3万4079円安)といずれも下落した。肥育に入って増体が見込めそうにない子牛については、市場関係なく極端に下げた印象を受けたという。
合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の43万3072円を筆頭に、徳之島、沖永良部、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、与論の1582円を筆頭に、沖永良部1512円、徳之島1455円、喜界1427円、奄美大島1333円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界253日、与論・沖永良部264日、徳之島268日、奄美大島270日の順となっている。
相場の状況について同駐在は「体高がなく体重が重い子牛、体高はあるが首や前幅の薄い子牛、発育・毛つやが悪く疾病の疑われる子牛については特にスタート時の競りボタンの押しが弱かった」と振り返る。また、熱中症を示す子牛が多く感じられたという。子牛価格が下落する時は、商品性の低い子牛は特に大きな下落幅となることから、「生後3か月までの餌付け用飼料をしっかり給与し、骨格と腹袋をつくることを意識して、相場に大きく左右されない飼養管理に励んでいただきたい」と呼び掛ける。
夏場は猛暑、台風などにより子牛の飼養管理に一層ばらつきが出やすい時期。同駐在は「こまめな餌の給与、水回りの清掃、床替え、ファンの回転数などに気を使って、商品性向上対策に努めていただきたい」と指摘する。