事前訓練で展開した03式中距離地対空誘導弾の発射装置(13日、奄美駐屯地)
8~11月、米国で実射
奄美駐屯地
陸上自衛隊奄美駐屯地(同市名瀬大熊町)は13日、第3高射特科群第344高射中隊が米国で行う、対空実射訓練の事前訓練(非実射)を報道公開した。03式中距離地対空誘導弾(中SAM)を構成する移動式のミサイル発射装置、レーダー装置、射撃統制装置など駐屯地内4か所で展開。九州以南に配置される中SAM部隊の訓練が公開されるのは今回が初となった。
陸上自衛隊は今年8~11月、米国ニューメキシコ州・米陸軍のマクレガー射場を利用した射撃訓練を行う予定で、同部隊は作戦遂行能力の向上を目的に参加。担当者によると実射を伴った訓練は2022年以来2回目になるという。
この日の訓練は隊員約30人が参加し午前9時頃、同駐屯地儀仗広場で任務を指示する「命令下達」とともに訓練開始。駐屯地北側の高台で展開した射撃用レーダー装置、陣地内でミサイル発射装置の砲台が発射体制に入る様子などが公開された。
第344高射中隊長、山本悟3等陸佐は「実射訓練は国内ではできず、意義がある貴重な訓練。いかなる状況でも任務を達成すべく、練度を積み上げたい」と話した。
同中隊は九州、沖縄を管轄する西部方面隊に所属し2019年3月、奄美駐屯地の開設とともに配置。地対空誘導弾の運用による防空を主任務とし隊員数は非公開としている。