産卵上陸したウミガメの痕跡を調査した面縄小5年生ら「徳之島環境調査隊」=16日朝、伊仙町佐弁浜海岸
【徳之島】伊仙町立面縄小学校(石原つぎ子校長)の5年生18人の「わたしたち徳之島環境調査隊(海の生き物)」のウミガメの痕跡調査と海岸清掃活動が16日午前、同町佐弁(さべん)浜海岸であった。環境学習と国際交流を兼ねた総合的な学習の時間の一環。児童たちはウミガメ保護監視・ふ化調査員のガイドで産卵上陸の状況を確認して学び、環境保全にも一役買った。
面縄小は今年6月、▽インドネシアの小学校2校(西バリ・ムラヤ村第5小、ジュンブラナ県イスラム第6小)▽新潟県佐渡市・新穂小との4校間オンライン交流をスタート。最終の11月末は調査・学習成果の相互発表会も計画。面縄小は地元の自然保護団体・NPO法人徳之島虹の会の協力で「徳之島環境調査隊」をつくり、今月5日に「海の生き物観察」で開始。16日の佐弁海岸はフィールドワークの第2弾。ウミガメのふ化状況の観察や最終の交流発表会まで計8回を予定している。
講師は、虹の会会員で認定エコツアーガイド、県ウミガメ保護条例に基づく同保護監視・ふ化率調査員の飯田克己さん(57)=同町面縄=が担当。子どもたちはマイクロバスで同海岸に到着早々、砂浜に残った足跡のクイズに、「バタフライ状に砂をかいたアオウミガメ」と即答するなど〝導入座学〟の成果も披露した。
飯田さんによると、佐弁浜海岸は10年以上ウミガメの上陸が確認されてなかった。今夏は約5回上陸して3か所で産卵跡を確認。「これまでは主に喜念浜や面縄浜に上陸していた。ごみが多く(産卵・ふ化時に)見学者が多いと、カメさんは『ここは怖い!』と来ません。持ってきたごみは必ず持ち帰り、ごみを見つけたら拾いましょう」とも呼び掛けた。
前日の産卵箇所を飯田さんが特別に試掘してピンポン状の卵も確認した。「1回あたり産む数は約150個。平均気温が合計1300度に達するとふ化します」に、競って筆算し合い「30度だとあと43日後にふ化します」と目を輝かせた。ふ化した子ガメたちが困らないよう漂着ごみなどの回収にも力を合わせた。
児童の1人・大倉悠慎くん(5年)は「ウミガメもちゃんと考えて行動しているところがすごいと思った。『海の日』とか、海の生き物を大事に思っており、今後も自分から進んでごみを拾います。いろんなことを学んで自然保護に協力したい」話した。