昨年より16㌧も減少し、10・3㌧の共販取り扱いが報告された2024年産「奄美プラム」出荷反省会
JAあまみ大島事業本部は16日、2024年産「奄美プラム」(スモモ)出荷反省会を最大産地の大和村で開いた。JA取り扱いの共販実績は計画(9・8㌧)を上回り10・3㌧となったものの、23年産実績(26・7㌧)を16㌧も下回り、地元市場・名瀬中央青果の値段高騰のほか、外国企業(ベトナム業者)の直接買い取り影響などが指摘された。
同村防災センターでの出荷反省会には生産者の出席は数人にとどまり、村及び県の行政機関、JA担当者らが出席した。村果樹振興会の藤村秀久会長があいさつで共販の低迷を取り上げた後、協議に入った。
取り扱い状況・販売経過報告によると、今年度産の奄美プラムは5月21日から持ち込み、22日から選果を開始。取り扱い実績で支所別の数量は名瀬0・3㌧、大和9・2㌧、龍郷0・7㌧。前年実績を大幅に下回ったが、単価(キロあたり)733円は取り扱い計画の600円を上回った。数量の低迷は宅配に支障を来し、約8㌧の注文が寄せられたものの、約4㌧しか出荷できず、注文量の半分程度は断ったという。
階級別は、前年同様L主体で2L寄りとなり、比率でみると、Lサイズが45・18%(前年産42・7%)を占め、2L28・05%(同34・1%)となり、大玉果実の3Lは6・05%(同6・6%)にとどまった。JA担当者は「2L主体、3Lがもう少し増えたら単価はさらに上昇する。摘果により果実の大玉化を図ってほしい」と呼び掛けた。
村産業振興課は地元市場の取り扱いが例年より2週間ほど早く、5月8日から開始されたと報告。値段もキロあたり1600円、最高値は6月11日に大玉果実で同2200円の値がついたという。同課は「JAの出荷協は5月20日に開催されたが、今年産は収穫・出荷が早まっただけに、もっと早く出荷協を開催すべきでは。『JAに持っていきたくても受け入れていない』との声が生産者からあった」と報告。また、外国企業2社がスモモ買い取りのため1月から畑(果樹園)を巡回していたことが報告され、▽高値買い取り▽収穫までしての購入▽畑購入希望―と活発な動きを見せているとした。
直接の高値買い取りは問題点にもつながっており、着果過多により樹勢低下や栽培管理されていないスモモが島外へ流通しているという。村行政だけでは対応困難なことから生産者で構成するJAの果樹部会と連携して対策に取り組む必要性が挙がった。
栽培管理に関しては県大島支庁農政普及課が「夏から秋にかけてのスモモの枝梢管理再考」を提案。気温の上昇を考慮し、新しい栽培暦を示した上で、これまでの秋中心の施肥から春夏中心の施肥(収穫後2回で6月と7月下旬に夏肥、春肥は2月上旬)を説明した。