規格外果実活用 かき氷専門店オープン

奄美空港周辺にオープンした、かき氷専門店「あまみのあまやどり」

天然水を使った「純氷」に自家製のタンカンシロップをかける

「道の駅のようなにぎわい創出したい」
奄美空港周辺

 伊仙町出身の実業家で、コンサルティング事業などに取り組む佐平仁志さん(62)が市場には流通しない規格外品の特産果実(タンカンなど)を活用した、かき氷専門店を17日、奄美空港周辺にオープンした。空港を利用する観光客らが立ち寄る「道の駅のようなにぎわい創出」を目指している。

 店舗名は「あまみのあまやどり」。「奄美は年間を通して雨が多い地域。急に降り出した雨を避けるため身を寄せる場所のように、食文化などに接しながらゆっくりとくつろげるスペースの提供を込めた」(佐平さん)。空港周辺には複数のレンタカー業者が営業しているが、撤退した業者の跡地に店舗を構えた。

 鹿児島市の専門業者と交渉し空輸で取り寄せている氷は、天然水を使った「純氷」。さらさらとした口触りが特徴。タンカン、スモモ、パッションフルーツ、マンゴーといった果物のほか、栄養価が高い長命草(ボタンボウフウ)、奄美黒糖を原料に6種類(6商品)準備。自家製のシロップにしており、それをかき氷にかけて味わうことができる。タンカンかき氷の場合、グラノーラや生クリームを添えており、練乳やヨーグルトソースも準備している。

 「糖と酸のバランスが良く果汁もたっぷりで、こんなにおいしいかんきつは他にない」と佐平さんが力を込めるタンカンは、直接農家から取り寄せたもの。栽培農家は奄美市名瀬の小湊安脚場に約3・5㌶の果樹園を所有する戸田敏久さん(62)。標高約400㍍と山の頂上部分に園がある関係で高糖度のタンカンが収穫できているという。皮に傷があるなどから流通できず規格外品となったタンカンの果実をしぼりジュース状にしたものを冷凍保存。80㌔をかき氷用に提供した。

 佐平さんは「規格外で売れないから廃棄処分にするのはもったいない。奄美の農産物を活用し、ブランド価値を高めたい。猛暑が続いていることもあり都市部ではかき氷が人気で、奄美らしさが味わえるものは訪れる観光客に好まれる。空港周辺は飲食店が少ないだけに、気軽に立ち寄ってもらえたら」と呼び掛けると同時に、「かき氷の販売だけでなく、農産物や加工品なども並べ道の駅のような雰囲気が作り出せたら」と語った。佐平さんは奄美市笠利町赤木名地区にあるグランピング施設も運営している。

 店舗は午前11時~午後5時営業。問い合わせは電話090・6044・8124(店長の真野宏さん)。