代執行へ向け、特定空き家の認定を行った空き家等対策協議会(18日、龍郷町役場会議室)
龍郷町は18日、町内の空き家・危険空き家の適正管理を議論する「2024年度第1回空き家等対策協議会」(則敏光会長)を開き、同町で初となる管理不全空き家21軒、特定空き家1軒を認定した。行政代執行・略式代執行を前提とした措置で、所有者等に対し指導・勧告・命令などの措置を行い、改善しない場合は、代執行に移行する。関係機関で構成する委員ら約20人が出席、全会一致で決定した。
同町は、倒壊の恐れのある特定空き家について行政代執行を可能とした「空き家特別措置法」(14年成立)に基づき、21年4月に「空き家等の適正管理に関する条例」を施行、22年に同協議会を設置した。
危険空き家に認定されたのは、幾里集落の町道沿いに建つ鉄骨平屋の一軒家。外壁が道路側に倒れ掛かっており、倒壊の危険があると指摘された。裏側は民家に隣接して壁がなく内部が見える状態。約1年前、近隣住民などから情報提供があったという。
町の調査によると、土地の登記はあるものの名義人はすでに亡くなっている。建物の登記はなく、建築申請を経ず建てられたとみられるという。
現在、道路側に自動販売機複数台が設置され稼働していることから、条例に従い占有者に緊急安全措置の通知を行い、同時に助言・指導、勧告などの措置をとる方針を示した。
当該物件は倒壊等の危険な状態が切迫していることや、占有者との折衝で早期の改善が見込まれないことから町側は、台風シーズンを前に、飛散の恐れのあるトタンの除去などを急ぐという。
近隣区長は「集落の総意として長年の課題を協議会に訴えた。過去の台風で屋根やガラスが飛散し、対応に追われた。崩壊の危険もある。今回の認定は大きな一歩となる。歓迎したい」と話した。
23年度調査による同町内の空き家は191軒(約40軒は所有者不明)。半数以上の103軒が荒波地区の円・嘉渡・幾里・秋名集落に集中している。円集落では、全戸の約3割が空き家。