奄美駐屯地の屋内射場で説明を受ける木原稔防衛相(左)
南西防衛、強化継続 馬毛島建設地も確認
木原稔防衛相は18日、奄美市名瀬の陸上自衛隊奄美駐屯地と自衛隊基地の建設が進む馬毛島(西之表市)を視察した。奄美駐屯地での訓示で木原防衛相は、南西地域の防衛強化を進める必要性を説き、「防衛力の中核は諸君ら自衛隊員。全ての隊員が高い意識と誇りを持って働ける環境を引き続き整備していく」と激励した。
現役の防衛相による奄美駐屯地の部隊視察は2021年4月、岸信夫元防衛相以来2回目。この日は午前8時15分、奄美駐屯地に到着。隊員らが出迎え、奄美駐屯地司令兼奄美警備隊長、長谷川健1等陸佐が駐屯地や部隊の状況を報告。施設の巡視では22年4月から運用が始まった、最大射距離300㍍の屋内射場に同行、暗視眼鏡を用いた説明があった。
訓示では奄美大島内に配置する陸海空3自衛隊の隊員約300人が参列。木原防衛相は「奄美大島周辺での中国の艦艇、航空機が活発な動きを見せている。我が国の防衛体制を目に見える形で示し、力による一方的な現状変更を許容しない、揺るぎない意志を示すことが重要」と防衛力の強化が抑止力につながると強調。また、今月4日、奄美市と奄美駐屯地が大規模災害時の緊急避難場所に関する協定を結んだことに触れ、「平素からの自治体との連携が防止減災に最も重要な取り組みの一つと確信している」と述べ、「災害時にも島一体となり対応することを期待する」と呼び掛けた。
木原防衛相は訓示後、記者会見を開き、初の視察となる馬毛島への移動を前に、「関係者が懸命に作業に従事し、施設整備が進められる様子を自らの目でしっかりと確認したい」と話した。
当初予定されていた、防衛省喜界島通信所の視察は中止となった。